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落語対談「千原ジュニア」が「立川志らく」に女性の演じ方を聞く

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.07.22 16:00 最終更新日:2018.07.22 16:00

落語対談「千原ジュニア」が「立川志らく」に女性の演じ方を聞く

 

 ワイドショーのレギュラーに抜擢され、バラエティに多数出演し、いまやテレビ画面で見ない日はない。天才・立川談志から芸の本質を継いだ男は、「落語の世界観」を武器に、世の注目を引き寄せる!

 

 立川志らくが共演した芸人のなかで「気になる存在」として名前を挙げたのが、千原ジュニア(44)だ。ジュニア自身も「千原兄弟」としてのライブや、自身が40歳を迎えた際の記念ライブなどで落語を披露している。落語の問答から、芸人としての在り方まで、話題の2人が初めて語り合った。

 

 

千原ジュニア(以下、ジ)「最近では、『林先生が驚く初耳学!』(TBS系)で共演させていただきました。師匠は、テレビでのコメントの質も打率も、1位、2位を争うレベル。本来、芸人が持っているべき『辛辣さ』があります」

 

立川志らく(以下、志)「私は談志の弟子になるくらいですから、尖っている人が好きなんです。だからジュニアさんがテレビに出ていると、つい見てしまう。ところが共演するとなると、その尖った部分を肌で感じるので、嬉しくもある一方で、怖さも感じます」

 

ジ「それ、僕が師匠に抱いていた印象と同じですよ。大阪にいたとき『ちょっと違う落語家さんが東京にいる』という情報が入ってきていました。その後にお会いした師匠は『眼光が鋭い落語家さん』という印象で、逆にそこが信用できる方だと思いました」

 

志「ありがとうございます。ジュニアさんは、私の得意ネタでもある『死神』(落語の演目)を演じられていて、落語に敬意を持たれているんだろうな、と思っていました」

 

ジ「せっかくの機会なので、思い切ってお聞きしますが、師匠は、僕みたいなお笑いの人間が落語をやることを、どう思われますか?」

 

志「私は大歓迎ですよ。芸は、才能ある人がやるべきですから。もともと落語はお好きだったんですか? それと、なぜ『死神』を選ばれたんですか?」

 

ジ「直接のきっかけは十数年前。春風亭小朝師匠と対談したときに『ジュニア君は落語をやったほうがいい。「死神」をやりなさい』と言われたんです。披露する当日は、劇場に火をつけてやろうかと思うほど緊張しましたね」

 

志「『死神』はやりがいがあって、落語が好きになるネタです。でも普通なら、初心者に大ネタは難しいから、と無難なネタをすすめるでしょう。さすがは小朝師匠です」

 

ジ「小朝師匠の紹介で、稽古をつけてくれた落語家さんがいたんですが、逃げ続けて(笑)。結局、自力で学びました。本当に落語家を目指している人だったら、許されないですよね。プロの落語家じゃないからこそ、いろいろ自由にできる強みはあります」

 

志「最初に技術的なことを指導されたら、落語が嫌いになっていたかもしれません。才能のある人は、最後に少し指導されるくらいでいいんです」

 

ジ「そう言っていただけて、安心しました。初めての高座を終えて頭を下げたら、ワーッと拍手が起きて。無上の喜びを感じました」

 

志「ジュニアさんのような方は、感性でやるほうがおもしろいんですよ。技術だけに頼っている落語家なら、太刀打ちできないでしょう」

 

ジ「技術的な部分でもお聞きしたいことが。落語家さんにはそれぞれ『女性』の演じ方があると思うんですが、どう演じるのがいいでしょう?」

 

志「女性は『演じてはいけない』んです。女性をイメージすると、みんなクネクネとした感じになります。声のトーンを少し上げ、観客のイメージに委ねるだけでいいんです」

 

ジ「なるほど! あと、演じている役柄に、自分の『我』みたいなものが出てしまうことがあるんですが、それは僕が落語の素人だからですか?」

 

志「それでいいんです。昔の芸は、個を消した落語が正しいといわれていたんですが、今は個性が出ているほうが人気なんです。ところで、ジュニアさんは8月に舞台をやられるそうですね?」

 

ジ「はい、久しぶりの千原兄弟のコントライブです。やらなくても生活に支障はないんですが、精神的には支障が出てきます。衝動を抑えきれないんです。やると決めたのに、やることが何も思いつかず、地獄なんですが(笑)」

 

志「私の舞台も同じです。『なぜやるか』と聞かれても『やらなければならないから』としか答えられない。商売に関係なく、やりたいことをやるのが芸人ですから(笑)」

 

たてかわしらく
1963年8月16日生まれ 1985年に立川談志に入門し、1995年真打昇進。高座だけでなく、テレビ、演劇、映画など登壇するすべての場で、落語の世界観を表現し、「全身落語家」と自らを呼称している

 

ちはらじゅにあ
1974年3月30日生まれ 1989年から兄・せいじとお笑いコンビ「千原兄弟」として活動。8月24〜26日に開催されるコントライブに向けて準備中

 

(週刊FLASH 2018年6月26日号)

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