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素人番組のギャラ大調査『マツコの知らない世界』は20万円!
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2018.09.01 11:00 最終更新日:2018.09.01 11:00
「正直、その間の営業補償という概念が制作側にないんだよ。くどいくらい打ち合わせをするし、収録時間も長いのに……」
テレビ出演を終えた鈴木隆祐氏がぼやく。でもメリットもあったそう。ほかの人気番組出演者はどうだったのか? 鈴木氏が徹底的に調査した。
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最近、テレビの素人番組が格段に増えている。かくいう筆者(52)も、1月に出した著書『名門高校 青春グルメ』が売り上げはパッとしないわりにテレビ受けがよく、すでに4回も各局に駆り出された。
なかには謝礼を相当弾んだ番組も……。いや、最初にぶちまけてしまうが、それが、6月に出演した『マツコの知らない世界』(TBS系)だった。
ギャラの額を20万円と聞いた瞬間、いささか耳を疑った。というのも、ほかが安すぎたからだ。あくまで本の宣伝と思い、1万円でもロハでも引き受けたが、一般人にそもそも出演料の相場などわからない。
ほかの素人やマニアの皆さんは、いったいいくらもらっているのだろうか?
マツコ・デラックス司会の番組は、本人がアマチュア出身だからか、素人力をうまく活かしてもらった。私がまず気になるのが、日本テレビ系の『月曜から夜ふかし』。そこで自転車で爆走する節約ぶりが大受けしたのが、元プロ棋士で株主優待名人の桐谷広人さん(68)だ。
「『月曜から夜ふかし』に出ても、ギャラはふだんの株の講演の数分の一くらい。でも、それでいいんです。テレビで興味を持ってくれた人が、講演に来てくれますから」
桐谷さんの資産は3億円以上。
「ロケが6日にわたったときのギャラも、1時間の講演料と変わりません」
すでに300回以上の講演をこなす桐谷さんだが、入場無料の案件しか引き受けない主義だ。講演料を払うのは主催者。テレビで人気の桐谷さんには、それだけの集客力があるわけだ。
さて、一般人でも何事かを究めた専門家が登場し、誰もが一目を置く番組が『情熱大陸』(TBS系)だ。
洞窟探検家の吉田勝次さん(51)は2017年6月、同番組に出演。これまで優に200回はテレビに登場し、2018年6~7月に起きたタイのタムルアン洞窟遭難事故では、各局で解説もおこなった。
「『情熱大陸』は私のこれまでの活動が認められた感があり、ほかの番組とは別格でした。撮影は1年がかり。でも、経費は一部補助してくれるくらいで、ギャラも日当にならすと安いです(苦笑)。民放の海外ロケは減りましたね。NHKは海外取材にまだ寛容ですが、規定はきっちりしています。
私の名前で検索すると、『吉田勝次の収入がヤバすぎる……』みたいなまとめサイトがいくつかヒットしますが、そんなに儲かってません! でも、洞窟探検という世界を広めたいし、金額じゃないんですよ」
マニア番組の最長老といえば、テレビ朝日の『タモリ俱楽部』。実情を探ると、画面の印象どおりの和気藹々のロケだったようだ。北海道大学大学院1年の岩原拳士朗さん(22)は、2018年6月に信号機マニアとして同番組に登場した。
一般の人からも自身のサイトにメールが来て、「信号機というマニアックな分野に目を向けてくれる人が増えた」と岩原さん。AKB48オタとしても、偶然テレビに出たことが数回ある。
「ギャラは東京までの遠征費、宿泊費込みで3万円でしたが、運営するサイトやブログのアクセス数はふだんの5倍~10倍と飛躍的に伸びました。憧れのゆきりん(柏木由紀)にも会えましたし、いいことずくめでしたね」
一方、東京・神保町のアダルト店「芳賀書店」の芳賀英紀さん(36)は、複数の相手と性愛関係を築く「ポリアモリー」の実践者として、妻と愛人とともに『じっくり聞いタロウ』(テレビ東京)に出演した。
「ギャラは3人合わせて5万円。ポリアモリーを誤解して、『私も愛人にしてください』というDM(ダイレクトメッセージ)も何通かありましたが、すべてお断わりしました(笑)『本人たちがよければいいんじゃない』と好意的な意見が多くてよかったです」
別のテーマで出演したマニアの場合、同番組の出演料は3万円だったというから、芳賀さんの例はあくまで特殊例だろう。
また、元警察官の郡司政男さん(69)は、慰安旅行で出会ったキティちゃんグッズの収集に凝り、2016年のギネス認定後はさまざまな局のバラエティやニュース番組でも引っ張りだこだ。
キティグッズは現在1万個以上。
「総額2000万円以上使っています。5年前に1000万円をかけ、自宅横のこの“キティハウス”を建てました。今では国内だけでなく、海外から見学しに来る人もいるね」とにこやかに語るが、ギャラが出たのは『マツコの知らない世界』と『ワケあり!レッドゾーン』(読売テレビ・2万円)くらい。どうも寛大な郡司さんに甘えているようだ。
『月曜から夜ふかし』にもたびたび出ている“日本のレオナルド・ダ・ヴィンチ”こと発明家の六車義方さん(73)は、関西準キー局は「総じてケチ」と、数多い出演歴を振り返る。
「謝礼代わりにと、番組名が印刷されたグッズを何十個も置いていく。準備やらリハーサルにけっこうかかるのに、終わるとろくすっぽ挨拶もしない。それで言いたいことも言えんでしょう。今では、出演をお断わりしとるんですわ」
NPO法人「お子様飛行隊発進プロジェクト」代表として、 ジャンピングバルーンに羽ばたき機能をつけ、「いずれは日本人みんなを飛行民族にしたい」と意気込む。
取材・文/鈴木隆祐
(週刊FLASH 2018年8月21・28日合併号)