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国税庁出身の芸人が明かす「税務調査」の修羅場

エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.03.12 06:00 最終更新日:2019.03.12 06:00

国税庁出身の芸人が明かす「税務調査」の修羅場

 

 国税局に勤務していた芸人・さんきゅう倉田が、職員時代に経験した「税務調査」の修羅場を明かす。

 

「現場で怒鳴られたり、手を出されたことは何度もありますよ。殴られて警察を呼ぶと、そこで税務調査が終わってしまうので、上司には『パンチは避けろ、バットも避けろ、日本刀は逃げろ』と言われました。

 

 噓をつくほうが悪いだろうと思いましたが、嫌な仕事とは思わなかった。楽しかったですね」

 

 

 とはいえ、逆恨みされることも多々あったという。

 

「家族を従業員にしている場合は、働かずに生活費を渡しているような場合がけっこうあるので、よく調べるようにしていました。

 

 ある不動産会社の70代の社長が、年老いた母親を従業員にして、月に30万円の給与を支払っていた。

 

 社長は母親に24時間態勢で、マンションの掃除や住人の対応をしてもらっていると答えたんですが、疑問に感じて母親に話を聞くと、仕事はしてないし、お金ももらってないと。その社長には申告し直してもらい、数百万円の追徴税を支払っていただきました」

 

 ところがこれには後日談が。

 

「社長が事務所に来て、『(勤務地の)駅の近くにファストフード店があるだろ。あそこで毎日、お前が帰るのを見てるんだよ。包丁で刺してやろうと思ってな』って。数日は気になって確認しましたが、実際には現われませんでした」

 

 子供に買い与えたゲーム機を、経費で落としていた例も。

 

「ほぼ全種類の最新ゲーム機を購入していたので、理由を聞くと『市場調査だ』と。本当に市場調査なら、子供に仕事をさせて賃金を払わないといけないが、その事実はなかった。矛盾がありますよね」

 

 仕事に関係があるように思えても、矛盾があったり、整合性がなければ、経費としては認められない。国税は税金のプロ。素人が戦って勝てるほど、甘くはないのだ。

 

さんきゅうくらた
1985年生まれ 大学卒業後、東京国税局に入り、法人税の税務調査を担当。その後、お笑い芸人の道へ。著書に『読めば必ず得する税金の話』(総合法令出版)

 

(週刊FLASH 2019年3月5日号)

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