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中村獅童も河村隆一も…急増する「肺腺ガン」の恐怖
エンタメ・アイドルFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.31 16:00 最終更新日:2019.05.31 16:00
「日本における部位別のガン死亡率のトップは、肺ガンです。生存率は以前よりはるかに高くなっていますが、ほかのガンと比べると、治りにくいガンと言わざるを得ません」
そう説明するのは、国立がん研究センター・検診研究部長の中山富雄医師だ。
同センターが4月9日に発表した資料によれば、すべてのガンでの5年生存率は67.9%だが、肺ガンのそれは43.6%。10年生存率でも、ガン全体の56.3%に対し、肺ガンは31.0%と厳しい数字だ。
肺ガンは、「小細胞ガン」「腺ガン」「扁平上皮ガン」「大細胞ガン」の4種類に分類される。いちばん多いのが腺ガンで、肺ガン全体の5~6割を占める。
2019年1月、歌手の河村隆一(48)がガンの手術を受けことを自身のブログで発表したが、彼が患っていたのが、この肺腺ガンだった。2017年には歌舞伎役者の中村獅童(46)が、2018年には女優の東てる美(62)も、肺腺ガンの手術を受けている。
「肺ガンの原因はタバコ、というイメージは根強いでしょう。しかし肺腺ガンは、喫煙との関係は薄いことがわかっています。つまり肺ガンは、タバコを吸わなくても注意しなくてはいけないガンなのです」(中山医師、以下同)
肺腺ガンの「罹患率」には、人種による差があるという。
「日本や中国などのアジア人には、タバコを吸っていないのに、肺腺ガンにかかる人が非常に多いのです。これは人種差によることが、研究の結果でわかっています」
日本人はタバコを吸わなくても、欧米人より肺ガンにかかりやすいのだという。「危険な病気から身を守るためには、早期発見に勝るものはない」と中山医師は語る。
「自覚症状が乏しいことが、肺ガンの特徴。肺には神経がないので、痛みを感じません。初期の段階では咳も出ません。咳が出ておかしいと思い、検査したらもう手遅れだった、というケースは少なくありません。
なので、症状がなくても、積極的に検診を受けるべきです。ほかのガンと同じように、40歳を過ぎると急激に羅患率が上昇します。非喫煙者であっても、定期的に検診を受けましょう」
もし肺ガンが疑われる場合は、どうすればいいのか。
「すぐに診断がつかずに不安な場合は、JCOG(日本臨床腫瘍研究グループ)に参加している医療機関などで、セカンドオピニオンを受けたほうがいいでしょう。内科・外科・放射線科の総合力が高い病院なので、信頼性の高い診療が受けられます」
日本の肺ガン生存率は、世界でもトップレベル。空気中に有害物質が多い都市部のほうが、肺腺ガンの罹患率が高いとの説もある。
しかし、早期発見さえできれば、それほど怖い病気ではなくなりつつある。なにより、定期的な検診が重要だ。
(週刊FLASH 2019年5月28日号)