有 「いまだって、『有プロ』の視聴者からは『(取り上げる話題として)新日多くねえか?』みたいな声があるんだけど、『いや、知らないよ!』と(笑)。べつに俺は好きなものを語ってるだけなんだから!
それなのに、『デスマッチも勉強しろよ』とか言われてもね。危ないです、ほんとに……」
ウ「有田さんは、さも、その現場にいたかのようにプロレスを語るじゃないですか。まるでプロレス団体の経理の人が、会議を見てたのかごとく(笑)、選手だけでなく、社長との会話までも、ものまねを交えながら再現したりして」
有「ウイカちゃんも、いずれそうなると思うけど、プロレスが好きだと、まず週刊誌を読むよね。で、そのうちムック本とか、なんなら暴露系の本まで読みだすのよ。もう山ほど出てるから。
そうしてると、いろんな事件を複数の人が語ってるから、何が本当かわからなくなってきて、自分なりの解釈が生まれてくる。『あ、なるほど。この人はこう言ってるけど、こっちの人はこう言ってる。ってことは、たぶんこうだな』みたいな。それがさらに進むと、自分がその場にいたことになってるから」
ウ「アハハハ(爆笑)」
有「『みんな違うこと言ってるけど、俺はここにいたけどね』って気になってきちゃう。いずれ、その域にいくよ(笑)。
先日、長州さんが2回めの引退をされて。『会長だけは超えられなかった』って猪木さんについて言うわけ。なのに翌日、新聞の見出しが『猪木、政界引退』。なぜか同じ日に国会議員だった猪木さんも引退表明しちゃったのよ」
ウ「わざとなんですか!?」
有「それがわかんないのよ」
ウ「真相は藪の中で、さかのぼっても答えがどこにもないから、みんな引き込まれていく……。それで、俺はこうだと思うとか、お互いのプロレス愛がぶつかり合うのがおもしろい。
でも、本当のプロレスを知ったら、ものをたとえるときに、『それってプロレスだろ?』って軽々しく言えませんよね」
有「微妙な言葉だよね。俺は40年近く観てるけど、『プロレスとは何か』って、まだ答えが見つかってないんですよ」
ウ「プロレスを知って、私は人生変わりました。知るのに遅い、早いもないですよね」
有「ないです、ほんとに。プロレスを深く知って観れば、人生が変わると思います。今なら、大学で “プロレス講座” を教えられる自信がありますよ!」
※2016年にスタートした『有田と週刊プロレスと』は、シリーズ4作めが配信中。シーズン1&2のDVDには特典映像も
(週刊FLASH 2019年11月5日号)