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肺ガンになったら260万円超「ガンの実費」自己負担はいくら?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.24 11:00 最終更新日:2020.04.24 11:00
長期化、高額化するガン治療。しかし、「高額療養費制度」をはじめとする国の制度を活用すれば、患者の負担はその一部で済む――。そこで本誌は、国立がん研究センター中央病院の事例から、実際にかかるコストを調べた。
肺ガンは、気管支や肺胞の細胞がガン化したもので、進行するとまわりの組織を壊しながら増殖し、血液やリンパ液の流れに乗って転移する。罹患率、死亡率は、40代後半から増えていく。
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画像検査、病理検査などの検査費用は、3割負担で5万6820円。ガンの進行の程度、体の状態、年齢、合併症などを考慮して、手術、化学療法、放射線治療などをおこなう。早期なら、身体的負担の少ない胸腔鏡手術も可能だ。
●国立がん研究センター中央病院の患者事例
・身長170cm/体重60kg
・ガンの状態:非小細胞ガン2期
・治療内容:肺葉切除術(7日間入院)+術後化学療法(3週間1サイクル×4回(そのうち7日間入院)。退院後半年は、月1回の定期検査。その後3年までは、3カ月に1回の定期検査をおこなった
《検査法》
「喀痰細胞診検査」は、痰を採取して顕微鏡で調べる方法。胸部X線や胸部CTなどで、肺ガンを疑う結果が出たら、確定診断のために、気管支の観察、細胞採取などの病理診断をおこなう。
《医療費》
右肺にあるガンを切除する「肺葉切除術」のあと、副作用などを調べるために、入院して抗ガン剤治療をおこなう。上の表の「術後化学療法(外来3回)」から下は、高額療養費制度を利用するほど高くないため、支払い額は3割負担になる。
写真提供・前橋市医師会
取材協力・国立がん研究センター中央病院
参考文献・『国立がん研究センターのがんとお金の本』(小学館)
※本文中・表中の「自己負担額」は、すべて【年収370万~770万円、70歳未満】のケースです
(週刊FLASH 2020年3月31日・4月7日号)