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『江戸前の旬』原作者が語る「最高にウマいワサビのおろし方」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.04.27 16:00 最終更新日:2020.04.27 16:00
マンガ雑誌『週刊漫画ゴラク』(日本文芸社)で、1999年から今も連載が続く、“老舗” の寿司漫画『江戸前の旬』。寿司の具である “タネ” のエピソードを中心に、すでに100巻が発売されている。原作者の九十九森先生が、「寿司ウンチク」を存分に語ってくれた。
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「ワサビって、たくさん種類があるのをご存知ですか? 俗に『青系』とか『赤系』とか言うんですが、知られていないだけで、けっこうな数なんです。食感は大きく分けて、ネットリしているものと、パサパサしているものがあるんですが、私はパサパサしているほうが好みです」
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ワサビはおろし方で、香りも味もまったく違うものになる。
「いま大ヒットしていて入手困難な『鋼鮫』という、ワサビおろしがあって。私が漫画の相談をする銀座の『やまだ』の親方から教えてもらったんですが、鋼鮫でおろすと、ワサビの香りと味が、ほかのおろし金とまったく違うんです。とても香りが強くなる。
ただ、凹凸が少ないから、なかなかおろせない。凸部分が『わさび』の文字形になっていて、見ためも面白いんですけど、いろいろ試して、この形がちょうどワサビをおろすのに適していたそうです」
ふつう寿司店で使われるのは、ブツブツの『鮫皮』を使ったおろし金だ。
「鋼鮫は、鮫皮よりも断然ウマくなります。さらに、鋼鮫でショウガをすると、もう最高。ただ、時間がかかるから、職人たちはみんな敬遠しているみたいです。
湯島(東京・文京区)の『一心』の親方にも小さいのを1つ差し上げたんですが、私が行くときだけ使ってくれていた。そしたら先日行ったときに『大きいの買ったよ、やっぱり香りがぜんぜん違うから』って(笑)。
カウンターの寿司屋に行ったら、どんなおろし方をしているか、チェックしてみてください」
つくもしん
青森県出身 漫画原作者 作画担当のさとう輝先生とコンビで週刊漫画ゴラクで連載中『銀座「柳寿司」三代目 江戸前の旬』、スピンオフ作品の『寿司魂』『旬と大吾』『ウオバカ!!!』などを執筆。メディアへの出演は、連載20年で「ほとんどない」そう
(C)九十九森/さとう輝・日本文芸社
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