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武田双雲の症例に学ぶ「胆石症の予防」コンビニ食でも対策可能

ライフ・マネー 投稿日:2020.06.18 16:00FLASH編集部

武田双雲の症例に学ぶ「胆石症の予防」コンビニ食でも対策可能

 

「あまりの痛みに壁に頭をぶつけ、14時間のたうち回りました」
 2011年8月に発症した書道家の武田双雲さん(44)を、七転八倒させた胆石。胆石ができないように、日常生活でできることはあるのだろうか。

 

「胆管炎などの胆石症は、肥満・糖尿病・脂質異常症などの生活習慣病が、リスク因子とされています。患者さんには『ご自身の生活を見直すチャンスでもありますよ』と助言しています」(「胆石専門外来」がある町田慶泉病院の外科部長・玉川英史医師、以下同)

 

 

 胆石症は、夕食にこってりしたものを食べ、その後寝ようとしたときに発症することが多いという。とくに注意すべきなのは、やはり肥満だ。

 

「日本人に多いのが『コレステロール胆石』。コレステロールは胆汁に溶けて排出されますが、含まれる量が増えすぎると、溶けきれずに結晶化してしまうのです」

 

 胆石症は、これまでは「女性のほうがなりやすい」といわれてきた。

 

「『Female』(女性)、『Forties』(40代)、『Fat』(肥満)、『Fecund』(多産)の人に発症の傾向が見られることから『4F病』と呼ばれてきました。40代で女性ホルモンが減少し、コレステロールの代謝が低下して肥満傾向になりやすいことなどが理由です。しかし、昨今は男性患者も増加し、男女比は逆転しています」

 

 予防法としては、規則正しい食生活、無理のない適度な運動、ストレスをためない生活を送ることが大切だ。武田さんは、身長が186cmあるが、発症当時の体重は90kgを超えていた。

 

「当時は、肉や揚げ物が大好きでした。現在は、78kgをキープしています。ライフスタイルも変わりました。胆管炎になって感じたのは、自分の体を過信してはいけないということですね。あの痛みだけは、二度とご免ですから」

 

「予防医学の食育」の見地からダイエットカウンセリングをおこなう、管理栄養士の高岡由貴さんは、こう指摘する。

 

「胆石症予防のため、まずは高コレステロール、高カロリー、動物性脂肪の多いメニューに気をつけてください。たとえばチキン南蛮弁当。揚げ物にこってりしたマヨネーズソースなどを加えているので注意です。

 

 チキンカツや豚カツ、脂身が多い豚の角煮も控えめに。バターやドレッシングも、摂りすぎに気をつけてください。一般的に男性が好まれるメニューは、要注意品目が多いですね」

 

 低カロリーで動物性脂質やコレステロールが少ない食事は、胆石症予防に効果的だ。

 

「飲み物は、緑茶がおすすめです。カテキンはコレステロールの吸収を抑えますし、胆汁の排泄を促進するビタミンCも含まれています。豆乳飲料も、大豆イソフラボンがコレステロール値を下げることを期待できます」(高岡さん、以下同)

 

 コンビニやスーパーでお弁当を買うときは、メインは魚介類にしよう。

 

「DHA・EPAやタウリンはコレステロール対策に効果的。焼き鮭や鯖の味噌煮、あさりご飯もいいですね」

 

 食事の間隔が開きすぎるのもよくない。

 

「規則正しく排出されない胆汁は濃度が高くなり、胆石が大きくなるといわれています」

 

 酒飲みには、こんな助言が。

 

「晩酌のお供には、良質なたんぱく質・大豆イソフラボンが多い枝豆や冷奴。野菜スティック、わかめときゅうりの酢の物、ひじき煮、きんぴらごぼうなども、おすすめします。水溶性食物繊維は、コレステロールの吸収を抑えますから」

 

 テイクアウトやコンビニ食が増えがちな昨今。それでも、できることはたくさんあるのだ。

 

たまがわえいじ
国際胆肝膵連合学会に所属する胆石症、消化器ガン治療のエキスパート

 

たかおかゆき
企業や病院の栄養指導も担当。「えいようJoin」登録の管理栄養士

 

(週刊FLASH 2020年5月26日号)

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