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【食堂のおばちゃんの人生相談】50歳・派遣社員のお悩み

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.08.28 11:00 最終更新日:2020.08.28 11:00

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/ジョーさん(50)派遣社員】
 カメラマンの父は80歳だが、定年がないので、今も自分で車を運転している。年齢を考えると心配で、もう運転はやめてほしいのだが、聞く耳を持たない。どのように説得したらいいでしょうか?

 

 

【山口先生のお答え】
 う~ん、80歳ですか。私はお父さまの運転ぶりを拝見していないので、軽々に「もう年だから運転は危ないですよ」とは言えません。何故なら、現役の人はみんな実年齢より若く見えるからです。

 

 私の叔父(母の弟)は現在90歳を超えていますが、社交ダンス教室を経営している日本最高齢の現役ダンス教師です。今も毎日何時間もレッスンしていますし、パーティーとなれば10曲以上も踊ります。

 

 当然ながら背筋はまっすぐ、頭も足腰もしっかりです。「ボケ防止には社交ダンス」を謳い文句に、自ら広告塔になっています。叔父が母と一歳しか違わないのに、同じ人類とは思えないほど若くて元気なのは、現役を続けているからです。

 

 でも、そんな叔父もさすがに数年前、車の運転をやめました。視力の衰えを自覚して、不安を感じたそうです。

 

 というわけでジョーさん、現役を続行しているお父さまに運転を諦めていただくには、本人の自覚を促すのが一番です。周囲がいくら反対しても、自覚がないとやめさせるのは難しいと思います。

 

 同乗して一々不手際を指摘するという手もありますが、親子喧嘩になりそうですね。それより、もうすぐ完成する自動運転車の発売を待つ方が得策かも知れません。

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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