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藤井2冠の「組みたいな」発言で注目される「自作PCの世界」

ライフ・マネー 投稿日:2020.09.24 16:00FLASH編集部

藤井2冠の「組みたいな」発言で注目される「自作PCの世界」

ゲーミングPCの自作に必要となるパーツの基本的な組み合わせ。画像左から電源、OS、SSD、CPU、メモリー、グラフィックボード、マザーボード、PCケース(画面中央奥)

 

「落ち着いたらパソコンを1台、組みたいなと思います」
 将棋界史上最年少18歳1カ月で2冠を獲得した翌日、会見でそう語ったのは将棋の藤井聡太2冠。パソコンを買うではなく「組みたい」とは? 藤井2冠が興味を持っている自作PCの世界について、自作PC歴30年を誇るガジェットライター・佐藤ポン氏に訊いた。

 

 

「藤井2冠が会見で語った自作PCとは、おそらくBTOパソコンのことだと思います。BTOとは『Build to Order』の略で、『注文をうけて作る』といった意味があります」

 

 自作PC(BTOパソコン)は、通常のPCとはどう違うのだろうか。「基本、自作PCはノートPC以外が多く、文字通りパソコンに必要なパーツを自分で買い集め作ることです。通常販売されているメーカーのPCとの大きな違いは、自作という部分だけでなく、自身の希望に合わせて徐々に性能をカスタマイズできることですね。

 

 たとえば、通常のPCの場合、何年か使用するうちに機能に不満や不具合が生じ『買い替える』必要が出てくると思うのですが、自作PCの場合はパーツを変え改良を続ければ、ずっと最新スペックで使い続けることも可能なのです。コスト的にも、十数万程度で、市販の高スペックPCを凌ぐものを入手できます」

 

 佐藤氏自身も、自作PCの改造を続け「10年以上は市販のPCを買っていない」という。ただ、いかに将棋の世界で才能を発揮する藤井2冠といえども、簡単に自作PCを作れるのだろうか。佐藤氏によると、「PCの自作は誰でもできる簡単なもの」だという。

 

「自作PCというと一般の方はハンダゴテを使って電子工作するようなイメージを持つかもしれませんが、基本的な組み立て自体は、実はプラモデルよりも簡単です。マザーボードに、CPU、メモリーなど必要な各パーツをはめ込み、PCケース内に収めるだけ。

 

 もちろん各ケーブル接続やPCケース内でのレイアウトなど様々な工夫は必要ですが、専門書籍やWeb上で、自作に関する情報も簡単に入手できます」

 

 専門店では、実際に自作PCのパーツをある程度組み上げた状態でセット販売されているものも多い。BTOパソコンや自作PC用のパーツ販売を多く手掛ける店舗「ドスパラ」を運営するサードウェーブの広報に話を聞いた。

 

「自作PCに必要なパーツは大きくわけて、PCケース、マザーボード、メモリー、SSD、CPU、OS、電源となります。これにゲーミングPCの場合はグラフィックボードが加わります。

 

 弊社では各パーツだけでなく、ある程度、組み上げた状態の製品も多数販売しています。それをベースに好みのパーツを加えたり、交換してカスタマイズしていくというのも、自作PCの楽しみのひとつです。藤井2冠の発言以来、『自作PCに興味を持った』というお客様からの問い合わせも急増していますね」

 

 こういった初心者向けの「自作PCのベースとなる製品」を実際に東京・秋葉原のドスパラ店頭で確認してみた。値段も10万円台前半~30万円台とパーツの性能により千差万別だ。藤井2冠はどのようなPCを自作したいのだろうか。

 

 前出の佐藤氏はこう推察する。

 

「ビジネス用のPCをあえて自作するというのは考えにくいので、やはり藤井2冠もゲーミングPCを自作されたいのではないでしょうか。

 

 自作PCは作っている時間も楽しいのですが、自分の工夫次第で市販品よりも高スペックのマシンを手に入れることができるのも魅力です。特に、ネットワーク対戦ゲームの世界では、いかに自分のPCの処理速度が対戦相手よりも速いかが、重要になってきます。

 

 藤井2冠の場合は、趣味だけでなく対戦将棋ソフトなどを十分に活用するためにも、高性能のPCを自作したいと考えているのもしれません」

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