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コロナ禍でも手厚さを維持!「株主優待」本当に強い銘柄10
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2020.11.17 11:00 最終更新日:2020.11.17 11:00
2020年春以降の投資を取り巻く状況は、新型コロナウイルスの感染拡大による景気後退で一変した。その影響は、当然ながら「株主優待」にも及んでいる。優待を廃止、あるいは縮小する企業が続出しているのだ。
「企業にとっては株主優待のあり方を見直す“バック・トゥ・ベーシック”という時期にきているんです」
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そう話すのは、経済アナリストの田嶋智太郎氏だ。
「優待ファンのあいだでは有名な『トラスコ中山』が、8月に優待の廃止を発表し、話題になりました。同社の優待は、ポイントによりお米や日用品などと交換できることで人気でしたが、コストの増加などを理由に廃止に踏み切りました。
また、優待のなかでもトップクラスの人気だった『すかいらーく』は大幅に優待を縮小し、優待ファンから悲鳴が上がっています。優待ファンからすれば残念でしょうが、そのぶんを成長投資に回すというのは、経営戦略としては当然のことです」(田嶋氏、以下同)
もともと、優待品を自社の商品やサービスと関係ないクオカードなどで提供している銘柄は、優待を廃止・縮小しやすいといわれてきたが、新型コロナの影響でその傾向はより強くなっている。では、この新型コロナ禍の時代に、どのように投資を考えるべきなのか。
「まず前提として、優待というのは、あくまでもオマケ的なものであり、優待内容から投資する銘柄を決めるというのは本末転倒です。株価が下がったら元も子もないわけですから。これはコロナに関係なく、当たり前のことです。
では今、どんな銘柄を選ぶべきか。まずは単純に巣ごもり需要、コロナが追い風になっているような銘柄ですね。ホームセンター関連や、リモートワークの増加によりビックカメラなどの家電量販店は業績が伸びています。あとは、『業務スーパー』を展開する神戸物産などは、内食需要拡大により好調です」
新型コロナの影響を最も強く受けた業界のひとつといえる外食産業だが、一概にダメとも言い切れないという。
「マクドナルドやケンタッキーは好調です。外食のなかでも勝ち組と負け組、2極化が進んでおり、その見極めが重要になってくると思います。
ただし、株価が下がるということは、投資家にとっては狙いどきでもあります。『業績が悪化しても以前の優待の内容を維持できているのであれば、底堅い銘柄である』と判断する、大きな材料といえます。株式投資では、長期的に見て絶好の買い場ですね」
田嶋氏が注目している銘柄を教えてもらった。
「個人的には『ワタミ』に注目しています。もちろんコロナによって大打撃を受けたわけですが、居酒屋を焼き肉店に転換し、デリバリー事業を拡大させるなど大胆な方針転換を打ち出しました。
また、複合レジャー施設の『ラウンドワン』も、2020年度は赤字決算を余儀なくされそうですが、2021年度以降は、急激な回復が見込めるとみています。
地方銀行もコロナの影響を強く受けましたが、この先有望な地場産業を抱えるところもいくつかあります。もともと地銀は、地方の特産品で手厚い優待を提供しているところが多いですし、世の中の“風”を読みながら、銘柄探しをしてみてはいかがでしょうか」