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ダイヤモンドの卵と呼ばれる「Z世代」理解するキーワードは「チル」

ライフ・マネー 投稿日:2020.12.05 16:00FLASH編集部

ダイヤモンドの卵と呼ばれる「Z世代」理解するキーワードは「チル」

 

「失われた20年」と呼ばれ、バブル崩壊の暗いムードが長引く中、「ゆとり世代」は「第1次就職氷河期」の余韻が残る時代を生き、一部は「第2次就職氷河期世代」とも呼ばれました。

 

 一方、現在10代前半~25歳くらいまでのZ世代は、アベノミクス景気や超人手不足の中、超売り手市場で「バブル期超え」や「ダイヤモンドの卵」と呼ばれました(少なくともコロナ禍前までは)。

 

 

 このように、「ゆとり世代」とZ世代は、連続した世代でありながら、生きた時代背景が大きく違います。「平成不況」によって「消費離れ」を起こした「ゆとり世代」に対し、Z世代は、アベノミクス景気と長く続く少子化、加えてそもそも同世代人口が少ないことによる「超人手不足」によって、進学、バイト、就活、転職と、「ゆとり世代」と比べると、不安や競争の少ない安心・安定した生活を送ってきました。

 

 私もこの数年、Z世代から、彼らの恵まれたバイトの就業状況の話を散々聞いてきました。

 

「バイトの時給が、年々上がっていく実感があります。時給を高くしないとバイトの応募がこなかったり、バイトがすぐに辞めちゃうみたいで」

 

「居酒屋など若者に不人気な肉体労働的なバイトは、単に時給が高いだけでは人が集まらなくなっており、数カ月に一度、皆で飲み会をやったりBBQをやったりして、バイトメンバー同士の仲を良くさせて、少しでも辞めにくい状況を作っているところが多いです。もちろん、こうした懇親会の費用は全てお店持ちです」

 

 就職活動でも、この数年で、いわゆる「逆求人サイト」が盛り上がってきており、これも「Z世代」の恵まれた採用・就業状況を表しています。

 

「逆求人」とは、求人に対して学生が応募する従来型の就活スタイルとは異なり、学生がそのサイトに自分の強みや学生時代にやってきたことなどのプロフィールを載せ、それを見て魅力を感じた企業側からその学生にアプローチをするというスタイルの採用サイトです。

 

 アベノミクス以降、2012年あたりから続く超売り手市場の中、従来の求人サイトで募集をかけても、学生からの応募が十分に得られない企業(主に知名度の低い企業、不人気の企業、中小企業)が増えていることがこうした逆求人サイトの誕生や普及の背景にあります。

 

 逆求人サイトとして有名なものとして、OfferBox、キミスカ、dodaキャンパスなどがあります。逆求人サイトの中でも大変ユニークなものとして、ビズリーチが運営する「ニクリーチ」というものがありました。

 

 これは「就活生と企業をお肉で繋ぐサービス」というコンセプトで、スカウトがきた就活生は企業から焼肉を奢ってもらえ、企業の人事担当者と交流できるというものです(ただし、2015年に始まったこのサービスは、コロナ禍の2020年7月30日に終了)。

 

 就活生が焼肉をご馳走になりながらその企業の話を聞くことができる――まるでバブル期を彷彿とさせる、いや、それ以上のダイヤモンドの卵っぷりと言えます。

 

 同世代の人口が多いので競争も激しく、加えてバブル崩壊によって景気も悪く、就職やバイトの状況が恵まれていなかった「ポスト団塊ジュニア」(1975~82年生まれ)の私は、いつもZ世代の話を聞いて、羨ましく思ってしまいます。

 

 ただし、新型コロナの感染が広まってから急に、「バイトの面接って、どんなバイトでも基本的には落ちることはないものだと思っていましたが、コロナになってから周りで落ちる友達が増え、本当に驚きました」といった発言をZ世代の学生たちからたくさん聞くようになっています。

 

 また、新型コロナによって第3次就職氷河期が生じる可能性もあるので、今後、少し状況が変わっていく可能性がある点は留意しなくてはいけません。

 

■「chill(チル)」という価値観

 

 少なくともこれまでのZ世代は、進学、バイト、就活、転職と、「ゆとり世代」と比べると、不安や競争の少ない生活を送ってきたので、彼らは「chill(チル)」という価値観を持つようになりました。

 

「チル」とは、元々はアメリカのラッパーたちのスラングで、「chill out」の略です。日本語では「まったりする」という言葉が近いニュアンスだと思います。

 

 私があるZ世代に電話し、飲みに誘おうと「今、何してる?」と聞いた時に、「今っすか? 今、自分の部屋でネフリでチルってます(ネットフリックスを見ながらまったりしています)」という返事をされたことがありますが、例えば、このように使うようです。

 

 私が日頃からたくさんのZ世代と接する中でも、チルっている人が多いと感じます。チルっているということは、マイペースに居心地よく過ごすということであり、会社などの組織の論理で彼らを動かそうとすることが、本当に難しくなっていることを意味します。

 

 20年以上もの長い間、若者研究を続けている私の感覚では、第1次就職氷河期の余韻が残り、第2次就職氷河期世代もいた「ゆとり世代」が学生だった頃は、私の研究を手伝ってくれている彼らにやる気を出させるために「こんなこともできないと、どこにも就職できないよ」などと、就活不安につけ込んだ「危機感訴求」をすると、それが大変効果的で、彼らの目の色が変わっていました。

 

 ところが、逆求人サイトが全盛の、超人手不足の時代を生きてきたZ世代には、この「危機感訴求」はあまり効かなくなっています。

 

 なぜなら、「そんなことじゃ就職できないというけど、ゼミのアホな先輩は結構いいところに就職できているけどなあ」という反論がすぐに彼らの頭に浮かんでしまうほど、時代が超売り手市場になったからです。

 

 また、Z世代は「働き方改革」や「ワークライフバランス」というキーワードの普及とともに育ったわけですが、こうした「チル」という価値観と相性の良い「優しい時代」になっていったことも、彼らがこうした世代特徴を形成する一因になったかもしれません。

 

 どんなに楽しい仕事であっても、チルっているマイペースな彼らはプライベートの方が大切で、プライベートを超えるほど魅力のある仕事はそもそも存在しない……これがZ世代の多くの考え方であるように思います。

 

 

 以上、原田曜平氏の新刊『Z世代 若者はなぜインスタ・TikTokにハマるのか?』(光文社新書)をもとに再構成しました。1990年代中盤以降に生まれた「Z世代」は、人口が少ないにも関わらず、コロナ禍でも消費金額が大きく、「ダイヤモンドの卵」と呼ばれます。その理由を若者研究の第一人者が徹底分析。

 

●『Z世代』詳細はこちら

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