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鼻炎薬と風邪薬で強烈な睡魔が…ダメな「薬の飲み合わせ」最新ガイド
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.02.26 11:00 最終更新日:2021.02.26 11:00
2021年も花粉症の季節がやってきた。日本気象協会の発表によると、全国的に花粉飛散量は、前季比(2020年)で関東甲信地方で180%、東海地方では220%と、多い見込みとなっている。
今気をつけたいのがコロナ禍での花粉症対策だ。免疫学が専門でアレルギー治療にも詳しい湘南台東口クリニックの竹田義彦院長はこう話す。
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「コロナの初期症状と花粉症の症状はよく似ています。花粉症といえば、まず鼻水とくしゃみですが、これはコロナでもあり得ます。
両者の違いは、花粉症では高熱が出ないことと、コロナで涙目になることは少ないことです。コロナか花粉症かの判断は、目がしょぼしょぼして涙目になるかどうかという点でしょう」
コロナ禍では花粉症の症状をできるだけ抑えることが重要だという。
「花粉症で目がかゆいと目をこすってしまう。ウイルスが目から入ることはわかっているので、感染するリスクが高まります。
逆に花粉症の人が無症状のコロナ感染者だった場合、くしゃみをして飛沫感染させてしまうかもしれない。
症状を抑えることで、コロナかどうか判断がつかないということも避けられます。発症する2週間ぐらい前から薬を飲みだすと、その年のシーズンのアレルギー症状は少なくなります。今から薬を飲むことが大切です」(竹田氏)
登録販売者試験の問題集なども手がける公園前薬局(東京都八王子市)の薬剤師・堀美智子氏も同意見だ。
「症状がひどくなってからだと薬は効きにくくなるので、症状が出る前に飲んでください。
ステロイドの点鼻薬、抗アレルギー薬など、市販薬でもかなりの種類が揃っていて、病院で処方されるものとほぼ同じ効果がある薬もあります。
コロナ感染が怖くて病院に行きにくいという方は、早めに市販薬を使用しましょう」
ここで気をつけたいのが、市販薬同士の飲み合わせだ。
「鼻炎薬の『アレグラFX』などに含まれているフェキソフェナジン塩酸塩は、『太田胃散』などの制酸作用のある胃腸薬と飲むと作用が弱くなります。
また、鼻炎用の市販薬の多くには抗ヒスタミン成分が含まれていて、この成分は多くのかぜ薬にも含まれています。併用すると強い眠気を引き起こすこともあるので注意が必要です」(堀氏)
「抗ヒスタミン剤でも『ビラノア』という鼻炎薬はあまり眠くなりません。この薬はまだ市販されていないので、眠気を気にする人は病院で相談するといいでしょう」(竹田氏)
花粉症はつらいが、対策のしすぎもよくない。過剰な手洗いにより花粉症皮膚炎という手荒れが生じることがある。うがいのしすぎも同様だ。
「うがい薬に含まれるヨウ素(ヨード)の過剰摂取に注意が必要です。ヨードの食事摂取基準で考えると、たとえばスプレー剤を喉に数回噴霧するだけで、成人の一日の許容摂取量を超えます。ヨードの摂りすぎによるヨード過剰症は、甲状腺機能低下を招く危険性があります」(堀氏)
なかなか病院へ行きづらいご時世、市販薬に頼る際は複数の薬の併用に用心が必要だ。
(週刊FLASH 2021年3月2日号)