■「のりかえ」初心者にとってのメリットは
2021年3月から始まる新プランの出現によって、今後大手キャリアのサブブランドを選ぶメリットは何になるのだろうか。
「UQモバイルとワイモバイルに関しては、大手キャリアの新プランと同等、あるいはそれ以上にお得なプランが発表され、2月からサービスを開始しています。
オンライン専用ではなく、ショップも利用できる強みもあるので、選択肢に入れる価値は十分にあります」(ジャーナリスト・法林岳之氏、以下同)
●UQモバイル
auのサブブランド。2021年2月1日にサービスを開始した「くりこしプラン」は、Sプランでデータ容量3GBで1480円と、格安SIMと比較しても安い。
しかも使わなかったデータ容量は、翌月にくりこしが可能だ。家族割などはないものの、大手キャリア直系だけに通信品質は格安SIMよりも格段にいい。
だが、通話は30秒ごとに20円かかり、定額サービスはオプションになる(「月最大60分の国内通話が500円」など3種類から選べる)。
●ワイモバイル
ソフトバンクのサブブランド。2021年2月18日から新プラン「シンプルS/M/L」の提供を開始した。
「シンプルS」は、3GBで1980円。2回線め以降は1080円引きになる「家族割引」を適用すれば900円という、超破格の料金になった。
15GBの「シンプルM」で1900円、25GBの「シンプルL」で2700円(いずれも割引後)と、格安SIMを凌駕する格安料金だ。通話は30秒ごとに20円。10分以内無料が700円のオプションになる。
■「店舗」「留守電」があるUQがおすすめ
ここまでさまざまなプランを見てきたが、最後に「現時点でのベスト」を法林氏に聞いた。
「UQモバイルの『くりこしプランS』(3GB/1480円)でしょう。手続き(申し込み)は店頭でもオンラインでも可能で、auペイとの連携も魅力的です。
ちなみにahamoは留守電サービスが選べないのですが、UQモバイルは留守番電話など通話関連のオプションサービスも揃っています。
店舗で手続きができるので、対面でオプションの説明を受けて申し込みができるのは、『のりかえ』初心者にとって大きなメリットになります」
■「のりかえ」をするときの注意点
(1)「更新月」を確認
3大キャリアのユーザーの多くは2年契約。契約開始から24カ月めを含む3カ月間が「更新月」となり、この期間内であれば契約解除料が発生しない。
2年契約の解除料は9500円(※3社共通。ただし、2019年10月以降にドコモ、auで契約した人は解除料1000円。ソフトバンクは2年契約がなくなったが、2019年9月12日以前に契約した人は、『縛りなし』プランに変更する必要あり)。
契約期間は、ショップやコールセンター、ネットのユーザーページなどで確認できる。
(2)解約は「締め日」ギリギリに
解約月の料金は日割にならないのが基本。そのため月の「締め日」ギリギリまで使ったほうが損をしない。
ドコモとauは月末が締め日なので、解約は月末に。ソフトバンクの場合、締め日が「10日」「20日」「月末」の3種類あるので、「My SoftBank」にログインし、確認すること。
(3)今春からは手数料が無料になる
ドコモ、auは2021年4月1日からMNP(モバイルナンバーポータビリティ)転出手数料が無料になる。
ドコモは2021年3月31日までにMNP予約番号を取得した場合は4月以降に転出すると手数料がかかるが、auはこの場合でも無料。
ソフトバンクは今春からMNP手数料が無料に(開始日未発表)。また、同じグループ内のサブブランドへの移動であれば、契約解除料、MNP手数料、契約事務手数料が無料となる。
「のりかえ」は料金だけでなく、“サービス”や手数料などを吟味して選ぶといいだろう。
※本記事で紹介した料金はすべて税別です
(週刊FLASH 2021年3月9日号)