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水中でも動く電気自動車「FOMM ONE」250万円で年内発売
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.03.30 06:00 最終更新日:2021.03.30 06:00
「緊急時には水に浮く」というユニークな4人乗りの世界最小クラスEV(電気自動車)「FOMM ONE」が、年内に国内で一般販売される。それに先駆け本誌が実車を取材。驚きのハイスペックぶりを紹介しよう。
「FOMM ONE」は、国内開発されタイで生産、日本に輸入される。全長2585、全幅1295、全高1550(mm)というコンパクトなボディに4個のバッテリーが組み込まれ、充電時間は200ボルトで約7.5時間。最高速度は80km、航続距離は166km(エアコン使用時は約120km)になる。
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「ボディはポリプロピレンという樹脂製にして軽量化しました。色は全7色。ルーフとボディをツートンカラーにすることも可能です」と株式会社FOMM担当者。
運転席に座る。ホイール内蔵モーターのため足元は広い。ハンドルはまるでF1マシーンのような形状だ。しかもアクセルは指先で操作するパドルシフト。足元にはブレーキペダルしかない。
「アクセルとブレーキの踏み間違いを防止します。指先でアクセル操作をしながらハンドルを回すので、最初は慣れが必要かもしれませんが、慣れてしまえば足の踏み換えも不要で快適に運転ができます」(担当者)
ナビシステムなどはないが、昨今「ナビはマップ情報などをアップデートするのが面倒。常に更新されているスマホの地図アプリで十分」というドライバーも多いので問題ないだろう。
リアシートだがやはりミニマム。子供用か、買い物をした荷物を置くスペースと考えた方がいいかも。リアのガラスハッチが開くので荷物の出し入れはスムーズにできる。
走り出しは軽快だ。まさしく「ス~」というイメージ。楽しい。そして「FOMM ONE」の最大のキモである「水に浮く」というシステム。「車体を風呂桶とイメージしていただければいいと思います」と担当者。なるほど、風呂桶は水に浮く。
「たとえば、ゲリラ豪雨などで地下道が浸水。たまたまその状況にいて水没しても車体は浮き、さらに推進して脱出することが可能になります」(同社エンジニア)
どうして車が水中で推進できるのか。その答えはホイール形状にあった。スクリューのような羽状に作られていたのだ。タイヤが前進するとホイールが水を後ろにかき出し、車は前に進めるというわけだ。万が一のときに心強い。
車両本体価格は250万円(税別)。自治体により違うが、補助金などを活用すればかなりリーズナブルな価格になる。「FOMM ONE」、間違いなく車選びの選択肢のひとつになる。
写真・長谷川新