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【4月4日の話】日本初のガラス工場誕生…育った技術者はニコンでも活躍

ライフ・マネー 投稿日:2021.04.04 06:00FLASH編集部

【4月4日の話】日本初のガラス工場誕生…育った技術者はニコンでも活躍

写真提供:品川区立品川歴史館

 

 1876年(明治9年)4月4日、品川の目黒川沿いに、日本初の洋式ガラス工場「品川硝子製造所」が誕生した。

 

 明治初期、ガラス製品といえば海外からの輸入が主流だった。長崎周辺では、輸入物が集まる地域柄か、いわゆる「びいどろ」と呼ばれるガラス工芸品を作る文化が江戸時代からあったという。

 

 

 その後、近代化が進み、ガラス需要が高まってきたことから、初めて本格的な工場を作ることになった。

 

 品川区立品川歴史館の職員である富川武史さんに、当時の話を聞いた。

 

「品川硝子製造所ができたとき、佐賀にいたガラス細工の職人を呼び寄せ、技師たちの教育にあたらせました。イギリス人技師も投入し、技術力を強化しています。ビール瓶などは品質のいいものを作っていたようです」

 

 しかし、板ガラスの製造に関しては失敗が続いたようで、経営状態は徐々に悪化する。官営だったが、1884年に民間へ払い下げ。1892年には経営不振で閉鎖された。

 

 だが、その後、製造所で技術を身につけた技師たちが活躍を見せる。日本工学工業(現・ニコン)が最初に設置した大井町工場には、品川硝子製造所で学んだ技師たちが参加し、レンズや光学機器を製造した。

 

「閉鎖後、技師たちが全国に散らばったことで、ガラス製造の技術が各地に伝わっています。製造所自体は短命に終わりましたが、結果的に、日本各地に本格的なガラス産業が根づくきっかけとなりました」(富川さん)

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