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「ビールで痛風になる」は嘘だった! 生活習慣にまつわる“健康迷信”を東大卒医師が解説

ライフ・マネー 投稿日:2021.04.07 16:00FLASH編集部

「ビールで痛風になる」は嘘だった! 生活習慣にまつわる“健康迷信”を東大卒医師が解説

大脇医師

 

(3)血糖値
 血糖値が高い状態が続く病気が糖尿病だ。食事制限、運動、投薬治療などで、生活が大きく制限される。

 

「血糖値を厳しく下げても、ほどほどに下げても、脳卒中や心筋梗塞の発症数は変わらないという結果が出ています。それどころか、理由は不明ですが、血糖値を厳しく下げたグループのほうが、死亡する人が多いというデータも出ています。

 

 日本糖尿病学会の診断基準では、血糖値の指標であるHbA1cは『6.5%未満』となっていますが、治療目標は個人ごとの様子に合わせて緩くしてもよく、8%未満などにすることもあります」

 

(4)肥満
「メタボリック・シンドローム」という言葉が日本でも流行したのち、メタボ健診が始まったのは2008年。

 

「最近は、医学誌で『メタボリック・シンドローム』という言葉を見た記憶がありません。メタボ健診についても、それによって寿命が延びるというエビデンスはないんです」

 

 肥満の程度を示す数値として有名なのがBMIだ。計算式は「体重÷(身長の2乗)」。

 

「これも気にしすぎです。日本でBMIが30を超える人は、2016年時点で人口の4.4%しかいません。アメリカでは、1日に1人あたり3682kcalが供給されていますが、日本では2726kcal。日本人は、食べすぎてはいません」

 

 大脇氏の主張に賛同するのが、医師で武蔵国分寺公園クリニック院長の名郷直樹氏だ。

 

健康のため食事を制限して、頑張って運動して、薬をきちんと飲んで……と厳しくやるのと、できる範囲で適当にやるのとでは、じつは、それほど決定的な差はありません。病気になるのが1〜2年先送りされるだけです。

 

 どちらを選ぶかは本人の自由です。患者の立場では『健康第一』が正しいわけではないのです」

 

 大脇氏が、あらためて訴える。

 

「人には、『不健康になる権利』があると思います。自分の思うような生活を維持する際、病気がそれを邪魔しないよう手助けするのが医者の仕事。医者が、健康を名目に患者の生活を邪魔するのは、仕事をはき違えているのでは」

 

 医者まかせにするのではなく、自分の健康は自分で守りたい。

 

(週刊FLASH 2021年4月13日号)

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