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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」コロナ禍で勝ちたいなら「目標は低く持て!」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.04.19 06:00 最終更新日:2022.02.14 17:37

樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」コロナ禍で勝ちたいなら「目標は低く持て!」

 

■行動なくして幸福なし

 

 多くの人は「失敗が怖い」「チャレンジするのが怖い」と言いながらも、一方で「何か楽しいことはないか」「毎日、代わり映えしない日常が続いてつまらない」と不満を口にしたりします。

 

 仕事についても、昨日と同じ仕事をしていると間違いや失敗のリスクは少ないため、楽で安心ではありますが、退屈です。

 

 だからといって、やったことのない仕事をまかされると、新しいことをたくさん覚えなければならないため、精神的にも負担を感じ、失敗のリスクも増えます。

 

 不安や恐怖からノルアドレナリンなどの分泌も多くなるでしょう。だから、多くの人は「コンフォートゾーンの外に出る」ような挑戦に尻込みをしてしまうのです。

 

 けれども、何か行動を起こすことがない限り、ドーパミンは出ません。「ドーパミンによる幸福」を私は「DOの幸福」と呼んでいます。

 

 つまり、達成感や充実感に包まれたような幸福を味わうためには、自分から行動し(=DO)、動いていくことが絶対に必要、つまりコンフォートゾーンの外に出なければならないのです。

 

■脳は「ちょい難」を好む

 

 前ページの図には、コンフォートゾーンとデンジャーゾーンの間に、ラーニングゾーンがありましたね。「跳び箱6段」です。

 

 人は挑戦するというときに、大きな目標を立てがちですが、それは跳び箱5段を跳べる人が、いきなり8段を跳ぼうとするようなものです。

 

 そうではなく、目標をもっと低くすればいい。跳び箱6段のクリアを目指すのです。目標を引き下げた「プチ挑戦」であれば、それほど恐怖感はない。

 

 失敗を恐れる必要もなく、むしろ「おもしろそう」とワクワクするかもしれません。

 

 そして実際には、頑張ればなんとかクリアできる目標や課題を設定するとドーパミンがもっとも多く分泌されるのです。

 

 この「頑張ればなんとかクリアできる」ことを、私は「ちょい難」と呼んでいます。

 

 じつは「ちょい難」の目標や課題に挑戦するときにもっとも多くドーパミンが分泌されることがわかっています。ちょっとだけ難しい課題に挑戦する、たったそれだけで、私たちは日々の生活のなかで「頂上効果」を得ることができるのです。

 

 ちょっとだけ新しいことに挑戦しませんか?
 コンフォートゾーンから出てみませんか?

 

 そうすることで、退屈な毎日とは違う、達成感をともなう幸福感、刺激的な幸福というものを、誰でも得ることができる。それもたった今から得ることができるのです。

 

 コロナ禍のなか、楽しいことよりも、心配なこと、不安なことのほうが多い状況がもう1年以上も続いています。だからこそ、自分から「楽しいこと」を作っていかなくてはいけません。

 

 自分から行動していく。自分からプチ挑戦をしていく。自分から動いていく。そんなちょっとした工夫で、日々の不安、苦しい生活のなかにも、「楽しい」を作り出すことは可能なのです。

 

 

かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動

 

イラスト・浜本ひろし

 

(週刊FLASH 2021年4月27日号)

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