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【食堂のおばちゃんの人生相談】53歳・団体職員のお悩み

ライフ・マネー 投稿日:2021.04.23 11:00FLASH編集部

「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!

 

【お悩み/トニーさん(53)団体職員】
 会議中、スマホばかり見ている若手が増えた。ネットで調べているのはわかるが、一度も目を上げないのは目上に失礼だと思う。きつく注意すべきか、悩んでいる。

 

 

【山口先生のお答え】
 なんですと? お宅の会社は会議中にスマホいじくっても良いんですか? それ、変ですよ。映画館だってコンサート会場だって「携帯の電源を切って下さい」とアナウンスが流れるじゃないですか。会議中にスマホや携帯を使用するのは、試験中に参考書広げてるのと同じだと思うんですけど。違いますか?

 

 スマートフォンはパソコンなんですってね。電話は機能の一部に過ぎないとか。まあ、だからパソコンとして使うのは分かりますよ。

 

 でも、調べ物は事前に済ませておくか、会議が終わってから取りかかるべきであって、会議中に調べ物してどうするんですか? 常識ってものがあるでしょう。会議中にスマホ見てるなんて、失礼ですよ。発言者に対しても、会社に対しても、仕事に対しても失礼です。

 

 トニーさん、今からでも遅くありません。会議中のスマホの使用は禁止すべきです。学校なら担任が預かるところですが、会社ではそれは無理なので、せめてマナーモードに設定させましょう。

 

 私見ですが、会議も含めて人と人との関わり合いというのは一発勝負、一期一会です。一瞬で相手を受け止め、尚かつ自分をぶつける気構えが必要なんです。

 

 スマホを見ながら会議に出ているというのは、今のこの瞬間が今しかないという真理をわかっていないからです。時間は巻き戻せません。今、この瞬間が勝負なんです。トニーさん、バカな若者にこの和歌を教えてあげて下さい。

 

「明日ありと思う心の仇桜 夜半に嵐の吹かぬものかは」

 


やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、そして最新刊『夜の塩』(徳間書店)が発売中

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