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文章術のベストセラー100冊のエッセンスは「一文は60字以内で『ワンメッセージ』に」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.08.22 11:00 最終更新日:2021.08.22 11:00
バカ売れ本の著者に無茶ぶりして聞きました。
「中身を1行で教えて!」
著者の藤吉豊さん、小川真理子さんによると『「文章術のベストセラー100冊」のポイントを1冊にまとめてみた。』の要点は「一文は60字以内で『ワンメッセージ』にする」だそうです。
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藤吉 取材などで経営者の方々にお会いすると、口を揃えて「文章力は大事だ」と言われます。やはり、社会人は「伝わる文章」が書けなければならないと感じ、小川と文章術の本を100冊読み込んで共通するエッセンスを本書に盛り込みました。
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多くの方が、難しい表現や美しい言葉、比喩などを使って小説のように書く人を「文章がうまい人」と思っています。でも、ビジネスでは「情報を正しく」「わかりやすく」「誰が読んでも誤読なく伝える」ことがいちばん重要です。
小川 何をどの順番で書けばいいかわからないという相談を受けますが、いちばん伝えたいこと、つまり結論を先に書きます。あとはそこに至る経緯を述べればいいのです。
藤吉 何が言いたいのかわからない文章になると、「情報を正しく伝える」というそもそもの目的が果たせなくなります。スポーツ記事を例にすると、「ロッテが12安打9得点で快勝」のように結果を先に書きます。
書き慣れてくれば詳しいエピソードを先にするなど順番を工夫することができますが、まずは「結論」を述べて、次に「理由」を説明し、もう一度結論で挟むという基本の「型」を覚え、そこに当て込んでいきましょう。
小川 私たちはボランティアで、学生に文章術を教えていたことがあります。彼らも「型」を覚えると、どんどん上達しました。仕事で企画書を書くのであれば、上手な先輩の文書を「型」としてまねするのがいちばんいいでしょう。
藤吉 オリジナルである必要はなく、まねをしてでもわかりやすくすることが第一です。
小川 書き終えたら、「見た目」を整えることも重要です。詰め込んでびっしりと書くよりも、余白をうまく使って読みやすい印象を与える。一文の中の平仮名と漢字のバランスも大事ですね。
また、「好き」だと思う文章を書き写すことを続けると、文章力は上がります。私も新人のころ「天声人語」を切り取って書き写すということを1カ月くらい集中してやりました。
本書でも、文章の参考になる名著100冊を紹介しています。文豪の作品やベストセラー、ロングセラーには文章術のヒントがたくさん詰まっています。これらの本を読んで、あとはとにかく書きまくることです。
藤吉 推敲では「時間をおいて読み直す」「他人に読んでもらう」がおすすめです。誤字脱字やわかりにくい表現の発見など、大きな効果があります。
ふじよしゆたか
株式会社文道代表取締役。編集ユニット「クロロス」のメンバー。インタビュー実績は2000人以上。 200冊以上の書籍のライティングに関わる。
おがわまりこ
株式会社文道取締役。「クロロス」のメンバー。ビジネス書や実用書などの編集、執筆に携わる。インタビュー実績も豊富
(週刊FLASH 2021年8月17日・24日号)