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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」説明力がアップする7つの方法

ライフ・マネー 投稿日:2021.10.18 06:00FLASH編集部

樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」説明力がアップする7つの方法

最高のトレーニングは「書く」こと

 

(5)「書く」アウトプットをする

 

 ここまでの4つの方法で、わかりやすく説明するためのコツは理解できたと思います。しかし、あなたがすぐに、これらのテクニックを駆使して上手に説明ができるかというと、難しいかもしれません。そのための “下地づくり” が必要だからです。

 

 そこで私がおすすめする方法が、ふだんから「書く」アウトプットを心がけることです。自分が話したいこと、考えていることを、文章に書く。そして、人に説明する前に、それを読んで推敲する習慣をつけておく。じつは、説明力を養うための最高のトレーニングが、この「書く」ことなのです。

 

 話すだけのトレーニングでは、録音していないかぎり、話したことは、その瞬間に消えてしまいます。また、トレーニングにつき合ってくれる人がいないと、フィードバックが得られないので、上達するのに時間がかかります。

 

 一方、書くことで文章化されていれば、先に述べた「結論を先に述べているか?」「一文は長くないか?」などのポイントがチェックでき、自分にフィードバックできます。こうして「最高の説明文」が書けるようになれば、それをそのまま話すだけで、「最高の説明」ができることになるのです。

 

(6)本を読んだら感想を書く

 

「書く」アウトプットでは、本を一冊読んだら、その感想を文章にまとめるのも、トレーニングとしておすすめです。感想を書くのが苦手な人は、内容の要約でもいいでしょう。要約とは、「まとめてわかりやすく説明する」ことなので、説明の練習としては最適です。

 

 また本に限らず、映画や漫画の感想、ストーリーを文章で説明するのもいいでしょう。それを続けていくと、説明力は大きくアップします。

 

(7)非言語を意識する

 

 多くの人は、人前で話すときに「何を話すか?」という内容に集中します。しかし、それよりも「どう話すのか?」「どんな雰囲気で話すのか?」のほうが、じつは何倍も重要です。

 

 どんなに素晴らしい内容のプレゼンでも、うつむき加減の猫背で、声も小さく、自信なさげに話せば、「この人、大丈夫?」と思われてしまいます。1週間かけてプレゼン資料を作っても、そんな調子で発表すれば、すべてが台無しです。

 

 一方で、背筋をスッと伸ばして、力強い視線で堂々と話せば、圧倒的な説得力につながります。まったく同じ内容であっても、話し方によって、説得力が天と地ほども違ってくるのです。

 

 話す言葉の意味・内容・文字列を「言語的コミュニケーション」、表情・姿勢・視線・声の大きさ・トーン・ジェスチャー・服装など、言語以外の要素を「非言語的コミュニケーション」といいます。そして、言語的コミュニケーションよりも、非言語的な要素のほうが、さらに重要なのです。

 

 しかし、ほとんどの人は、非言語的コミュニケーションを意識しません。だから、いつまでたっても話がヘタなままなのです。

 

 非言語的コミュニケーションのなかでも、1対1で話す場面ではアイコンタクトが大切。ときどき相手と視線を合わせるだけでも、圧倒的に説得力、そして信頼度がアップします。

 

「話す」も「書く」もアウトプットです。ふだんから、本の感想、要約などをアウトプットすることで、仕事の場面での説明力もアップしていきます。アウトプット力は、あなたの仕事の効率を高め、評価につなげるためにも必須の能力といえます。

 

 

かばさわ・しおん
樺沢心理学研究所代表。1965年、北海道札幌市生まれ。札幌医科大学医学部卒。YouTubeチャンネル「樺沢紫苑の樺チャンネル」やメルマガで、累計50万人以上に精神医学や心理学、脳科学の知識・情報をわかりやすく伝える、「日本一アウトプットする精神科医」として活動

 

イラスト・浜本ひろし

 

(週刊FLASH 2021年10月26日号)

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