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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」食欲の秋、暴走する食欲をコントロールする方法は?

ライフ・マネー 投稿日:2021.11.15 06:00FLASH編集部

樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」食欲の秋、暴走する食欲をコントロールする方法は?

暴走する食欲の原因と対処法は?

 

 秋は「食欲の秋」ともいわれます。猛暑がおさまり過ごしやすくなるとともに、収穫の時期ということで、美味しい食材がたくさん出てきて、食欲が旺盛になってきます。

 

 一方で、猛暑の夏場と比べて体調はコントロールしやすく、運動にも取り組みやすいので、「ダイエットをしたい」と思っている人も多いはずです。

 

 

 さて、そもそも食欲が旺盛になる理由はなんなのでしょうか? せっかく頑張ってダイエットをしていても、夜中にラーメンやスイーツを猛烈に食べたくなる。そんな暴走する食欲をコントロールできなければ、頑張ってきたダイエットの努力も無駄になります。

 

 ダイエット法についての本は山ほど出ているのですが、なぜ食欲が暴走するのか、暴走する食欲をコントロールする方法については、あまり書かれていません。

 

 食欲は脳の仕組みと深く関連しています。脳科学的にみて、食欲を暴走させる原因は何か? その原因と対処法がわかれば、無理なダイエットをせずに痩せることが可能です。

 

■原因1 ストレス

 

 食欲が暴走する最大の原因は、ストレスです。科学を持ち出さなくても、仕事が猛烈に忙しくなれば、間食に甘い物を食べたくなったり、夜間にコッテリとしたラーメンを食べたくなることは、誰もが経験しているはずです。

 

 ではなぜストレスがかかると、食欲が旺盛になるのでしょうか?

 

 生物にとっての極度のストレス状態は、「外敵に襲われる」と「飢餓」の2つです。持続的に大きなストレスがかかると、体は飢餓状態と同じ反応をとる。つまり、たくさん食べたくなる一方で代謝が減って、エネルギーを脂肪として蓄えようとする。その結果、圧倒的に太りやすくなる。それが、いわゆる「ストレス太り」です。

 

 また、持続的に大きなストレスがかかると、さまざまなストレスホルモンが分泌されます。そのうちのひとつが副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」です。

 

 ストレスホルモンを、より正確に表現すると「ストレス対処ホルモン」です。ストレスに対処するための「気付け薬」のような働きがあります。その働きによって、ストレスと闘い、体を元気にするために、エネルギーを取り込もうとする。具体的には、食欲抑制ホルモンの「レプチン」を抑制する。その結果、食欲を増進させるのです。

 

 コルチゾールは医療の現場では、免疫抑制剤として内科の治療にも使われます。コルチゾールを服用する患者さんは「胃の底が抜けたのかと思った」というほどの猛烈な食欲に襲われ、1カ月で数kg太る人も多くいます。過剰なコルチゾールの分泌は、食欲暴走の大きな原因なのです。

 

■対処法1 有酸素運動

 

 猛烈な食欲に悩まされている人は、自分のストレスの原因を分析し、それを取り除く努力をすべきです。しかしながら、仕事が忙しいとか、職場の人間関係がややこしいなど、そう簡単には解決できないストレスも多いはず。

 

 ストレスホルモンのコルチゾールを、簡単に低下させる方法があります。それは、「運動」です。

 

 運動をすると、その間はコルチゾール値が一時的に上昇するものの、運動終了時には正常値にまで低下します。20〜30分の中強度の有酸素運動(早歩き、ジョギング)で、この効果は得られます。

 

 これを週に数回続けている人は、ストレスを受けてもコルチゾール値が大きく上がらなくなる、つまり「ストレス耐性」がアップするのです。

 

「運動はストレス発散になる」とよくいわれますが、たんに気分的な話だけではなく「コルチゾールを正常化」させる効果があり、科学的にもきわめて有効なストレス発散法といえます。

 

( 週刊FLASH 2021年11月23日号 )

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