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路線バスで楽しむ「絶景旅」ナビには出てこない道で風景をじっくり味わおう

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.11.28 11:00 最終更新日:2022.09.16 20:22

路線バスで楽しむ「絶景旅」ナビには出てこない道で風景をじっくり味わおう

富士山を背に走る路線バス

 

路線バスの旅には電車や自家用車の旅では味わえない魅力があります」

 

 そう断言するのは、バス専門誌の編集長として活動する加藤佳一氏(58)。35年間、路線バスを中心に100冊以上のムックや書籍を執筆している、日本一の路線バス研究者だ。加藤氏は、これまでに47都道府県のすべてで路線バスに乗車している。

 

 

「バス会社単位で200から300社の路線バスに乗り、合計1000路線以上は乗っています。それでも、全国の路線バスの半分も乗れていません」

 

 日本全国でバス事業者は2000社前後あり、路線数は合計1万以上。

 

「路線バス旅最大の魅力のひとつは、低速度ならではの風景ですね。路線バスは通常、時速20km前後で最高でも時速40km程度しか出しません。どの季節でも景色がディテールまでゆっくり、じっくり味わえるんです」

 

 僻地のバス旅にはコツもあるという。

 

「運行数が少ない路線バスを楽しむには、バス旅番組のように停留所順に進むのはNG。まずは遠くに向かい、復路と往路を上手に組み合わせれば、途中下車できる回数も増え、いろいろな場所を楽しめます」

 

 路線バスの視線の高さも風景を楽しむポイントのひとつだという。

 

「路線バスは座席の位置が高いので、視線が乗用車よりも高くなります。箱根や秋川の紅葉も、路線バスの車窓から見下ろすだけで、まったく違った印象になります」

 

 乗用車とは違うルートを走るのも路線バスならでは。

 

「カーナビを利用してドライブすると県道や国道を案内されることが多いですが、路線バスの場合は人のいるところを走らなければならないので、集落、病院、役場など生活路線をあえて走行します。起点が同じだとしても、ナビでは絶対に出てこないような意外な道を走るのも路線バスの魅力ですね」

 

 最後に初心者のための路線バスの楽しみ方を聞いた。

 

「横浜市営バスなど観光周遊できるバスがおすすめです。都内でも『池袋から中野』など、ふだんは電車で移動している区間を路線バスに置き換えるだけで、新たな街の風景が楽しめます」

 

【厳選!絶景や道中を楽しめる路線バス】

 

●【東海バス】(冒頭の写真)
沼津駅~江梨(約35分)
平日12往復・土日祝日10.5往復

 

●【谷川岳一ノ倉沢電気ガイドバス】
谷川岳ロープウェイ~一ノ倉沢(約20分)
全日7往復

 

●【箱根登山バス】
K系統(約80分)

 

●【西東京バス】
武蔵五日市駅~数馬(約1時間)
平日12往復・土日祝日10往復

 

●【横浜市営バス】
桜木町駅前~桜木町駅前(約1時間)
平日16本・土日祝日32本

 

●【都営バス】
新宿駅西口~練馬車庫前(約1時間)
平日101本・土曜84本・日曜祝日76本(※いずれも下り便)

 

写真・加藤佳一

 

( 週刊FLASH 2021年11月30日・12月7日合併号 )

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