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樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」韓国ドラマ『イカゲーム』が世界No.1ドラマとなった4つの理由

ライフ・マネー 投稿日:2021.12.06 06:00FLASH編集部

樺沢紫苑の「読む!エナジードリンク」韓国ドラマ『イカゲーム』が世界No.1ドラマとなった4つの理由

『イカゲーム』が世界No.1ドラマとなった理由は?

 

 韓国発のNetflixオリジナルドラマ『イカゲーム』が大ヒットしています。配信が始まるや、世界90カ国以上で視聴回数が1位となり、全世界で1億4000万を超える世帯が視聴したといわれています。

 

 非英語圏のドラマが世界の国々でここまでヒットするのは、きわめて異例なことです。『イカゲーム』がなぜ国境を越えて多くの人々の心をつかんでいるのか。今回は、その秘密を精神科医であり、映画評論家でもある私が分析したいと思います。

 

 

(1)モデリングの粋を極める

 

 ネットで『イカゲーム』の感想や評判を読むと、「『カイジ』『神さまの言うとおり』などの日本の漫画、アニメ、映画、ドラマのパクリだ!」という指摘が多くなされています。

 

 多額の借金を抱えた人生の敗者を集めて起死回生のデスゲームに参加させるというイントロダクションは、まさに『賭博黙示録カイジ』そのもの。『イカゲーム』の第5ゲーム「飛び石ゲーム」は、『カイジ』に出てきた鉄骨を渡る途中に落下したら死亡するという「ブレイブメンロード」にそっくりです。

 

 命がけで「だるまさんがころんだ」(『イカゲーム』では「ムクゲの花が咲きました」という名称)をするのは、『神さまの言うとおり』に出てきます。

 

 また『イカゲーム』を最初に見たとき、昨年配信された日本発のNetflixオリジナルドラマ『今際の国のアリス』とまったく同じフォーマットで作られているな、と感じました。このドラマでは東京・渋谷を舞台に、強制的にデスゲームに参加させられた若者たちが仲間同士で協力したり、チームで戦ったり、親しい者同士が殺し合ったりする様子が描かれました。

 

 しかし、漫画、映画、アニメなどのストーリーは、すでに出尽くしているといわれており、「こんなの見たことがない」という斬新なストーリーを作り出すことは不可能ともいわれています。何かの作品と似てしまうことは、しかたがないのです。

 

 そもそもパクリ技術、失礼、「モデリング技術」は、韓国の得意とするところ。『イカゲーム』は、「おもしろいドラマ」がたまたま韓国から生まれたという単発の現象ではなく、韓国の制作陣が持てるモデリング技術を十二分に発揮した結果、必然的に誕生した作品と考えられます。

 

 ちなみにモデリングが生んだ大ヒット作ということでは、じつは、今から40年以上前に、古今東西のおもしろい映画、小説、神話を徹底的にモデリングした、「寄せ集め映画」が記録的な興行収入を上げました。『スター・ウォーズ』シリーズ第1作めがそれです(1977年)。

 

 ストーリーは黒澤明監督の『隠し砦の三悪人』や『七人の侍』とそっくりで、ビジュアル的にはSF映画の古典から多くの着想を得ています。それが「圧倒的なおもしろさ」として結実し、空前のヒットとなったのです。

 

(2)AIを活用した依存性を高める施策

 

『イカゲーム』を最初に見たときは、「『カイジ』のパクリじゃないか」と思いつつ、途中でやめられなくなり、3話まで一気見してしまいました。Netflixのオリジナル作品には、ある種の依存性があるのを感じます。

 

 Netflixにはドラマが終了した数秒後に次のエピソードが自動的にスタートする「自動再生機能」があります。さらに、各話のラスト10分くらいから話が異常な盛り上がりをみせるため、脳はドーパミンとアドレナリンのシャワーを浴びることになります。

 

 この状態で、ドラマが終わってすぐに「停止」ボタンをクリックするのは、普通の「意志力」では無理というものです。

 

 日本発のNetflixオリジナルドラマ『全裸監督』の制作秘話で紹介されていましたが、オリジナルドラマの脚本は制作国のシナリオライターが執筆するものの、Netflix本部のプロデューサーやシナリオライターが、彼らに詳細なアドバイスをおこなうといわれています。

 

 Netflixオリジナルのドラマや番組を何本か見ればわかりますが、それらには共通する「おもしろさの法則」があるように感じます。つまり、「絶対にはずさないおもしろいドラマのテンプレート(ひな型)」。現時点で、それを最大限に生かした作品が『イカゲーム』といえるのです。

 

 ここからは私の推測ですが、Netflixは「究極のおもしろいドラマ」を作るにあたり、AIをおおいに活用しているのではないでしょうか。

 

 Netflixには、世界各国に2億人を超える有料会員がいます。そのビッグデータを解析すれば、停止ボタンが押されるのが多いのは開始何分めか、脱落する人が多いのは何話めか、などが一目瞭然でしょう。

 

 こうしたデータをもとに、脱落率を減少させる施策をおこなうことで、依存性の高い、視聴者を夢中にさせるドラマが作れるというわけです。

 

 実際に、Netflixは視聴者にどの作品を「おすすめ」にするかにあたり、過去の視聴履歴や俳優などの好みに応じて、異なるサムネイル(見出し用画像)を表示させるAI技術を使っています。

 

 また、2021年10月に「AIに40万時間分のホラー映画を見せて作らせたホラー映画」を公開しているように、すでにAIを活用した事例を明らかにしています。

 


( 週刊FLASH 2021年12月14日号 )

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