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47都道府県「地震で揺れやすい街」を徹底調査!「増幅率」ワースト2は秋田駅、1位は?
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2021.12.07 06:00 最終更新日:2021.12.07 06:00
揺れやすさの目安となるのが、先述の「表層地盤増幅率」(以下「増幅率」)だ。揺れの大きさは、震源からの距離だけでなく、地盤の強さにも左右される。増幅率1.0と2.0では、揺れ幅の大きさが2倍になる。増幅率の数値が大きくなるほど、揺れやすい軟弱な地盤ということができる。
10月7日の地震で震度5強を観測した3カ所の増幅率は、以下のとおり。
・川口市三ツ和=2.09
・宮代町笠原=2.51
・足立区伊興=2.45
3カ所とも、増幅率が2.0を超えている。また、震源から80km以上も離れているにもかかわらず、いずれも震度5弱だった埼玉県の各地を調べると、幸手市東の増幅率は3.16、加須市大利根は2.9、久喜市青葉は2.87だった。
「一般的には、山側ほど数値が小さく揺れにくく、川沿いの低地や埋立地で高くなる傾向があります。増幅率が1.6未満であれば、それほど心配はしなくていいのですが、それ以上となると要注意です」
増幅率は、国立研究開発法人「防災科学技術研究所」が提供するウェブ上の地震ハザードステーション「J−SHIS」で調べることができる。250m四方を単位にして、増幅率や地形区分などが表示されるだけでなく、「30年以内に震度6以上の揺れに見舞われる確率」までも調べられる、便利なツールだ。
本誌はこのJ−SHISを使い、各都道府県でもっとも増幅率が高い地点を調べた。
各都道府県の最高地点を見比べると、茨城県、埼玉県、千葉県の数値が高いことがわかる。逆に数値が低いのは、山梨県、長野県、滋賀県、奈良県などだ。
J−SHISのマップで関東平野の増幅率を見ていくと、数値がとくに高くなっている地域が、川沿いに帯状に広がっていることがわかる。具体的には荒川、中川の周辺地域、利根川の中流域だ。
「かつて、これらの河川は流域沿いに深い谷を作っていました。そこに、海水面の上昇によって海水が入り込み、入江を形成しました。そして、上流や海から運ばれた大量の泥や砂が入江に堆積していきました。それが “揺れやすい地盤” の正体です。多摩川も大きな河川ですが、こちらは軟弱な地盤が比較的、厚くない地域です。むしろ、鶴見川流域の増幅率のほうが大きくなっています」
埼玉県の増幅率最高地点は、大落古利根川と江戸川に挟まれた場所。茨城県の最高地点は、利根川の支流に面し、本流にも近い場所だ。東京都の最高地点は、荒川と中川の中間地点。神奈川県では、鶴見川が流れる新横浜駅の周辺に、増幅率が2.5を超えるエリアが広がっている。
「日本は、大きな河川の河口付近に街が発達してきた歴史があります。湿地帯が広がっていた濃尾平野の中心にある名古屋市周辺や、かつては海だった大阪市周辺も、増幅率が高い傾向にあります」