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いまこそ「ほったらかし投資」を…余裕資産を「全世界株式」に投じて歴史的円安でもリスク分散!
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.05.02 06:00 最終更新日:2022.05.02 06:00
「コロナ禍が続いたことで、個人投資家の投資方法にも変化が起きていると思います。ひと昔前なら、大きな収益が得られそうな投資に取り組む方が多かったのですが、最近はおとなしくなってきていると感じますね。投資はローリスク・ローリターンの『ほったらかし投資』でいいよね、という考え方がようやく世間に根づいてきました」
そう話すのはファイナンシャルプランナーの横山光昭さんだ。米国政府が3月に決定した金融引締め策と、ロシアのウクライナ侵攻での経済不安によって、4月20日に円は一時20年ぶりとなる「1ドル=129円台」まで下落。いま “歴史的円安” になっている。
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円安、値上げと家計の危機が迫るなか将来への蓄えについて考える人も多いだろう。「FX取引やデイトレードなんて怖くてできない!」という人でも、将来的な資産を倍増させうる方法が「ほったらかし投資」だ。横山さんもこれで資産を2倍にした。
「こんな時代に『投資を始めていいのか』という心配は当然です。しかし、その心配を和らげるものこそが投資。歴史的な円安で日本の経済状況に不安がみえ始めたいまこそ『ほったらかし投資』でリスクを分散させて、資産を保持するのがよいと思います」
本誌が元祖の「ほったらかし投資」。何度も紹介してきたが、下準備はネット証券の口座開設からだ。運用益が非課税になる「つみたてNISA」か、掛け金も所得控除になる「iDeCo」で「全世界株式」のインデックス・ファンドに毎月、積立投資をしていくだけでよい。
「これまで紹介してきた『楽天・全世界株式インデックス・ファンド』に加え、前回は信託報酬が安いeMAXISシリーズの『eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)』をおすすめしました。
『ほったらかし投資』は『長期、分散、低コスト』が基本。この『オール・カントリー』はこれだけで、全世界に国際分散投資ができるようになっています。採用銘柄の88%が先進国株になっていて、さらに銘柄全体の約60%が米国株で、日本経済後退のリスクをカバーできます。
これから始めようという人は、いますぐ毎月3000円でいいので投資信託で『オール・カントリー』1本だけを買ってください。もう少し余裕があって、3万円程度から始めようという人は全体の5割でこの投資信託を購入し、残り5割は自分で『日本株式』『先進国株式』『新興国株式』『米国株式』を対象としたファンドでアセットを作り、カスタマイズするといいと思います」
■ウクライナ情勢の世界的株安も背景に
横山さんは「始めるならいまがチャンス」と話すが、その理由をこう説明する。
「コロナ禍で一時、米国の投資信託は35%ほど値を落としましたが徐々に戻してきています。株価は下落しましたが、政策により上昇しました。
ウクライナ情勢が発生しているいまはコロナ禍のときとは異なりますが、世界的な経済不安でいったん値が下がっている買いどきだと思います。 “投資の上級者” たちは、株安になったことなど気にせず『安いときは、それだけ安く買える』と、とらえています」
最後に「ほったらかし投資」の極意をあらためて伝授する。
「いまから値が上がるまでは1年ぐらいかかるかもしれません。でも、『ほったらかし投資』の狙いは目先ではなく、5年後、10年後、老後の資金を貯めるもの。下がっていることを無視するメンタルの強さを持っていてください。3年ほどで十分にいい成果が出ると思いますよ」
積立投資の果報は “寝かして” 待つ。ただしあくまで自己責任で。
よこやまみつあき
2万件以上の赤字家計を診断、改善アドバイスをしてきたファイナンシャルプランナー。『月100円からはじめる! つみたてNISAとiDeCo超入門』(宝島社)など著書多数