【6】マジックの太さ選びが意外と重要!
大事なのはペン選び。
「画数が多い漢字は太いペンで書いてしまうと文字が潰れてしまったり、書けなかったり。かといって漢字だけ細いペンで書いてしまうと、離れて見たときに、そこだけ浮いて見えてしまいます。文字のサイズに合ったペンを選ぶのが難しいんです」
【7】店内の装飾を書くことも!
東松山店の正面出入り口でまず目についたのが、数枚続きで完成された巨大POP。どうやって書く?
「ここまで大きいPOPを書くには時間がかかるので、タテヨコの比率を考えてPOPを作り、パソコンにデータを取り込んで拡大しました。このPOPはお客様が来店されたときに目につく場所にあるので、扱っている商品をわかりやすくイラストや文字で紹介し、楽しい気持ちになるようにカラフルに作ったんです。場所がわかるように“埼玉のおへそ”と入れてユーモア感も出しました」
【8】力量が試されるのは電化製品!
商品説明や型番など情報量の多い電化製品はデザインに工夫が必要だそう。
「電化製品の商品説明は、情報量が多いのでどうしても文字が多くなってしまいます。楽しい感じにしようと文字を動かしたりすると、逆に読みづらいPOPになってしまいますね。構図で遊べないので、堅い感じになってしまいがちですが、ドンキらしい楽しい雰囲気を出したい。なので電化製品はPOPライターの腕の見せどころなんです」
【9】POPには店舗の個性が出る!
ドンキ文字の基本はあるが、書くのは人。やはりそこには個性が出るという。
「基本からずれすぎるとドンキ文字ではなくなってしまうんですが、どうしても個性は出ますね。自分で書いていると感じないんですが、他店に行ったり、仲のよいライターのPOPを写真で見たりすると全然違うのがわかります。それがお店の個性にも繋がっているので、いろんなドンキでPOPを見比べて楽しんでみてください」
【10】POPはドンキの命!
「店舗そのものを楽しんでもらいたい」。POPはその道しるべだ。
「ドンキの店舗コンセプトはコンビニエンスとディスカウントとアミューズメント。商品を並べて販売するだけでなく、お店の空間そのものをお客様に楽しんでいただきたい。POPはそのための要素のひとつだと思います」
もうひとつのPOPの役目はすべての商品に光を当てること。
「人気商品は、その商品を目当てにお客様が来店されるので、POPがなくても売れやすいんです。でも知られていないけど、お客様におすすめしたい商品こそ、POPの力で光を当て、目立たせてあげたいんです。その商品を知らなかったお客様にも買っていただける。手書きPOPで人気商品にしたいと思っています。それでリピートに繋がったら、言うことはないですね」
「楽しい気持ちで作るとそれが文字にも表われて、いいPOPが作れるんです」と塚田さんは話す。
「パソコンにも手書き風の文字はありますが、それでは出せないおもしろさや温かみがドンキのPOPにはあると思います。受け取った依頼書の商品が全然知らないものでも、商品の情報を調べて想像していると、ワクワクした気持ちになりますね。その楽しい思いがPOPを通じてお客様にも繋がる。それがドンキPOPの役割なんだと思います」
ドンキPOPの魅力は手書きならではの温かさにある。
今回取材した店舗は……
【MEGAドン・キホーテ東松山店】
埼玉県東松山市石橋1648-1
営業時間 9:00~翌3:00 定休日 なし