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樺沢紫苑の『読む!エナジードリンク』伊勢神宮まで自転車で走って得た5つの「気づき」
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2022.10.24 13:00 最終更新日:2022.10.24 13:00
10月3日〜8日までの6日間、東京〜伊勢神宮まで370kmを自転車で走破しました!
大学生のときは自転車で日本一周をしたこともありましたが、その後は自転車にずっと乗っていなかったので、じつに30年間のブランク。今回のチャレンジには正直不安もありましたが、無事に走りきることができて大満足。すごい達成感です!
今回の自転車旅行、非日常的なチャレンジを通して、たくさんの気づきを得ることができました。そのなかでも、ビジネスなどにも十分に役立つ5つの気づきを、皆さんとシェアしたいと思います。
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(1)不安は行動で解消できる
今回なぜこんなチャレンジを企てたかというと、それは57歳を目前に控えて体力的な衰えを感じるようになったからです。このまま老化して、衰えてしまうのではないかという不安と恐怖。週に二、三度スポーツジムに通ってはいますが、それでも体力の低下、視力の低下、集中力の低下などを、最近になって強く自覚していたのです。
現時点での自分の体力、いや精神力はどのくらいのものなのだろう。
それを見極めたうえで、自信を取り戻すことが今回の自転車旅行の目的のひとつでした。そして実際、全行程370kmを走りきり(伊良湖〜鳥羽まではフェリーを利用)、ゴールできました。その達成感と感動たるや、めったに経験できるものではありません。
その間、太ももの筋肉は明らかに太くなり、また若干ではありますが体重が減り、ダイエット効果も認められました。
不安というものは何もしなければ増大していくものです。だから何か行動を起こすことで解消を図る。そのことを再認識できました。
(2)コンフォートゾーンを出ると爆発的に自己成長する
「コンフォートゾーン(快適領域)を出ると自己成長につながる」。私の著書やYouTubeチャンネルで、よくお伝えしていることです。
コンフォートゾーンを出るとは、ふだん自分が生活している領域から外に出ること。たとえば、行ったことのない場所に行き、会ったことのない人に会う。知らないものを見て、新しい発見をする。その新鮮な体験が脳を刺激して、自己成長を促すのです。
しかしながら、多くの人は「そんなことくらいで簡単に成長などしないだろう」と考えがちです。だから、自分の領域から一歩踏み出そうとしません。
しかし私自身、今回の自転車旅行を通じ、コンフォートゾーンを出ることの重要性にあらためて気づきました。旅によって、つまり外の世界に出ることによって、「今、自分が取り組んでいる仕事」について、客観的に見られるようになったのです。自分の進んでいる道が正しいのか、間違っているのか? 自分が本当にやりたいことはなんなのか?
知らない場所に行き、初めての経験をすることで、日常の制限やしがらみから解放される。その結果、本当の自分と向き合うことができるのです。
大自然の中を自転車で走っていると、「こんなちっぽけなことを考えてもしょうがない。もっとスケールの大きいことを考えよう」という気持ちが湧いてきます。日常とは違う、自分にとっての異世界から自分を眺める。旅というのは、コンフォートゾーンから出て自己を客観視できる絶好の機会といえるでしょう。
(3)最初の3時間で1日のパフォーマンスが決まる
私は著書『神・時間術』の中で、「朝の最初の3時間で1日の仕事量が決まる」と書いています。まさに、このことが自転車旅行でも実証されました。朝の最初の3時間の走りで1日の走行距離が決まるのです。
この時間は体力的にも余裕があるので、ある程度スピードが出せて距離を稼げます。峠を越えることもできます。
しかし、午後になるとそこまでの体力が残っていないため、惰性で走らざるを得ません。特に昼の12〜14時台は暑さがピークに達し、体力と水分がどんどん奪われていきます。そこで、午後の走りはほどほどにして、YouTubeライブをしたり、観光をしたりすることに時間を使いました。
1日めで朝の3時間の大切さを再認識したので、2日め以降は午前中の時間ロスを最低限にとどめるようにし、とにかく走りに専念したのです。
仕事についても同じことがいえます。最初の3時間や午前中の使い方で、1日のパフォーマンスが決まる。
「午前中で8割終わらせる」気構えでいけば、仕事がはかどること請け合いです。