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「狂犬病予防注射月間」スタート 国内では撲滅も続く義務「獣医師の金もうけでは?」疑問を直撃
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.04.10 15:49 最終更新日:2023.04.10 15:54
毎年、4月から6月は「狂犬病予防注射月間」。愛犬家のもとには、自治体から「お知らせ」のハガキが届き、指定場所や動物病院などで愛犬に注射を打ってもらう。
費用は自治体により若干の差はあるようだが、多くは注射料が3000円、注射済み票交付手数料が500円といったところ。新規登録の場合は、プラス3000円ほどが必要だ。
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これは法律で決められた義務なので、従わない飼い主は法律違反になる。が、注射会場ではよく、「狂犬病って、いまでもあるんですかね?」という会話が交わされる。そこには「もう、必要ないんじゃないの?」と言う意味が言外に含まれているようにも聞こえる。
管轄する厚生労働省のホームページを見ると「狂犬病予防法が制定される1950年以前、日本国内では多くの犬が狂犬病と診断され、ヒトも狂犬病に感染し死亡していました。このような状況のなか狂犬病予防法が施行され、犬の登録、予防注射、野犬等の抑留が徹底されるようになり、わずか7年という短期間のうちに狂犬病を撲滅するに至りました。現在、日本では、犬などを含めて狂犬病の発生はありません」とある。
「発生がないなら、接種はいらないのでは?」という意見が出るのも納得できる。日本獣医師会に必要性を聞くと「予防注射が徹底されているからこそ、国内では発生していないのです」と断言した。
「世界的にみても、狂犬病の清浄地域は日本くらいです。東南アジアではいまでも多く見受けられます。万が一の侵入に備えた対策が重要となっています」
厚労省のホームページによると、フィリピンでは年間で250人前後が発症している。海外でイヌに咬まれたことで、日本に帰国した旅行者が発症し、亡くなったケースもある。発症したら致死率は100%だそうだ。また、狂犬病が発生した場合、鳥インフルエンザのように、発生エリアにいるすべてのイヌを淘汰(殺処分)する国もある。狂犬病が見られる地域へ渡航する際は、ヒトも予防注射を勧められている。
なかには「獣医師の金もうけのためでは?」といったことを指摘する人もいるようだが……。
「冗談半分でそういういうことをおっしゃる方もいますが、接種はボランティアに近いと思いますよ。注射済み票交付手数料は、そのまま自治体に納めます。注射料は獣医師のもとにとどまりますが、そこからワクチン原価、シリンジ(注射器)、注射針などのコストを引いたら、そんなに残りませんよ。狂犬病の予防注射で、儲けなんて出ません」
もうけなしでも対応してくれる獣医師たち。ワンちゃんたちと人間の健康のためにも、注射は打っておこう。
( SmartFLASH )