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水難事故多発!溺れた人が生存して助けた人が溺死するのはなぜか、日本水難救済会に聞いた
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.08.14 17:20 最終更新日:2023.08.14 17:20
お盆休みの時期は、連日のように水難事故の報道を目にする。8月13日、新潟県では川で遊んでいた28歳の男性が溺れて死亡したほか、ボディーボードをしていた70代の男性も溺れて死亡。高知県でも、川でカヌーをしていた男性が流されて死亡している。
警察庁発表の「令和4年における水難の概況」を見ると、年間の発生件数は1346件、水難者は1640人で死者・行方不明者は727人となっている。
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もし川や海で溺れたときはどう対処すればいいのか。公益社団法人「日本水難救済会」に聞いた。
「溺れてしまったら、まずは浮いて呼吸を確保することが大切です。これができなければ、どうしようもありません。それには『イカ泳ぎ』が有効です。
正式名称は『エレメンタリー・バック・ストローク』と言います。お腹を上に、背浮きをして手足を曲げます。手のひらで水をかき、足の裏で水を蹴り、あおるように泳ぎます。この泳法は体力を使わずに長い時間、浮力を保つことができます。
水面に顔を出せますから、呼吸もできますし、声を出すこともできます。横泳ぎが得意な方は、その泳法でもいいと思います。とにかく水面から顔を出してください」
「イカ泳ぎ」に似ている「大の字になる背浮き」はどうだろうか。
「これは学校でも教えられることがあります。しかし、肺に空気を入れ続ける必要がありますし、頭が水面下に入ってしまい、顔の一部しか水面から出ないことがあります。そのときに波をかぶると、鼻に水が入り、呼吸ができなくなってパニックになります」(日本水難救済会)
川で流されたときは、足先を下流に向けることも大切だという。
「岩などの障害物がありますから、それをいち早く発見することが大切です。近くに来たらキックして避けてください。川は海より1.025倍比重が低いですから、浮きづらいことも覚えておく必要があります」(同)
ニュースでは、「子供は助かったが、救助に行った父親が死亡」という見出しも見かける。
「1秒でも早く救助したい気持ちもわかりますが、泳力も救助ノウハウも持たない方が、救命胴衣も着けずむやみに助けに行ってはいけません。大きな声で周辺に事故を知らせ、なんでもいいので浮力があるものを投げ入れてください。お子さんが助かることが多いのは、周囲の方がまずはお子さんを先に救助するからです」(同)
裏返せば、救助の間、泳ぎ切れるだけの力がなければ助けにいくのは無謀ということだろう。まずは、周囲の助けを求めることが賢明だ。
「事故に遭わないためにも、水辺で遊ぶときは救命胴衣の着用が必須です。浮き輪は体が抜けてしまうこともありますし、ひっくり返ったときのリカバリーが難しい。
そして、天気予報も確認して、遊ぶ場所はライフセーバーがいるか、遊泳禁止でないかなどを確かめてください」(同)
まずは、ライフジャケットの着用だ。
( SmartFLASH )