ライフ・マネーライフ・マネー

初物1匹2万8000円「歴史的不漁」で暴騰のサンマを安くおいしく食べる! グルメジャーナリスト厳選の5店

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2023.09.27 06:00 最終更新日:2023.09.27 06:00

初物1匹2万8000円「歴史的不漁」で暴騰のサンマを安くおいしく食べる! グルメジャーナリスト厳選の5店

「さんま塩焼」780円(『駒八』)

 

「昔は同じぐらいの大きさで、1本150円程度だった」

 

 溜め息交じりにそう話すのは、東京・文京区の鮮魚店「魚栄」で仕入れを担当する従業員。9月初旬、店頭のサンマには1匹350円の値札がつけられていた。

 

「ここのところはずっと値段が高いよ。獲れる量が少ないし、脂の乗りも悪い。昔のサンマを知る人にはもの足りないんじゃないかな」(同前) 8月に札幌市でおこなわれたサンマの初競りでは、1匹2万8000円の史上最高値がついたと、北海道ニュースUHBは伝えている。

 

 

 本誌が9月上旬に取材した、名古屋の「市民の台所」と呼ばれる柳橋中央市場でも、1匹1000円のサンマを発見した。

 

 全国さんま棒受網漁業協同組合の統計では、2022年の水揚げ量は過去最低。水産庁も、2023年のサンマの漁況を「低水準」と発表した。不漁が高騰化を招いているのだ。

 

 サンマの塩焼きは秋の風物詩といえるメニューだが、もはや庶民の魚ではなくなってしまうのか。外食産業に精通し、『TVチャンピオン』(テレビ東京系)で2度の優勝経験がある、グルメジャーナリストの東龍氏が語る。

 

「サンマは安くて美味しい秋の味覚でしたが、簡単に手が出せなくなりました。仕入れ値に合わせ、販売価格を大幅に上げる飲食店も多いです」

 

 それでも希望はあるという。

 

「良心価格で提供してくれるお店はあります。応援のためにも、そのようにがんばっているお店を訪れてください」

 

 今回、東龍氏が東西5店を厳選。これから旬を迎え、さらにうまくなるサンマを逃すな!

 

『駒八 豊洲店』 東京都江東区豊洲3-2-20 豊洲フロント1F

 

 サンマ料理の達人として『マツコの知らない世界』(TBS系)ほか、メディアへの出演でも知られる小野澤雅丈さんが料理長を務める。「塩焼きは背を割き、大根おろしを挟んで食べると、ハラワタの苦みが取れてうまいんです。後頭部が盛り上がっていると脂が乗っているので、自分で選ぶ際に確認してください」(小野澤さん)。「『サンマ仙人』とも称される小野澤さんのお店だから、味はバッチリ。例年『さんまフェア』をおこなうほど、メニューが充実しています」(東龍氏)

 

『目黒のさんま 菜の花』 東京都目黒区下目黒1-1-15 菊ビル 1F

 

「毎月『3』がつく日は『さんま塩焼き』を350円で提供しています。儲けが減っても、みなさんにサンマを食べていただきたい」と店主の小野寺雅さんは語る。「『目黒のさんま七変化』という、7種類のサンマ料理を味わえるなど、サンマ三昧のお店。定番の『さんま塩焼き』はもちろん、旬の時期だけに提供される『なめろう』や、珍しい『南蛮』がおすすめ。『つみれ汁』はシャキシャキのネギがアクセントで、淡麗の日本酒が合います」(東龍氏)

 

『居酒屋 秋刀魚』 東京都千代田区富士見1-7-7 ニュー東和ビル 1F

 

「いまの店名に決まったのは、常連さんのひと言がきっかけです」と、店主の山風呂さんは話す。その名のごとく、メニューは豊富だが、とくに人気なのは東京ではこの店でしか食べられないという「さんまずし」。「三重県の熊野出身の先代が地元の名物をもとに開発しました」(山風呂さん)。「こちらはサンマの脂とシャリの酸味がマッチ。日本酒とのマリアージュが最高です。フライはジューシーさが増し、ビールとの相性が完璧」(東龍氏)

 

『魚!魚っ!いっちょらい』 愛知県名古屋市中区錦2-16-10 GS第二伏見ビルディング 1F

 

「多くの人に食べてもらいたいので、仕入れ値がどれだけ上がっても、1000円で提供します」と、店主の松岡さん。かつては、普通に切って盛りつけて提供していたが、うまさを追求し続けた結果、特製のタレと薬味であえるスタイルに辿り着いたという。「天然醸造の醤油や、10種類の削り節と昆布などで取っただしを加えて作る刺身専用のタレが、味を引き立てます」(東龍氏)

 

『PIZZERIA & BAR NOHGA』 東京都千代田区外神田3-10-11 NOHGA HOTEL AKIHABARA TOKYO 1F

 

フレンチ出身のシェフが考案したサンマメニューには、オリジナリティが溢れている。クッキー状のチーズや、こちらも旬のイチジクなどでバゲットが彩られた「ブルスケッタ」に、栗が丸ごと入った「クリームパスタ」は食感も豊か。「おしゃれなホテルのスパニッシュイタリアンです。『ブルスケッタ』と『クリームパスタ』は、両方ともサンマの香りを生かした濃厚な一品で、ワインやカクテルとの相性が抜群です」(東龍氏)

 

とうりゅう

1976年台湾生まれ テレビ東京『TVチャンピオン』で2002年と2007年に優勝。ファインダイニングやホテルグルメを中心に、料理とスイーツ、お酒をこよなく愛する。炎上事件から美食やトレンド、食のあり方から飲食店の課題まで、独自の切り口でわかりやすい記事を執筆。審査員や講演、プロデュースやコンサルタントも多数

 

※写真の料理の価格は、とくに表記のない場合、税抜きです

 

写真・長谷川 新、越野 遥、永谷正樹、花井知之

( 週刊FLASH 2023年10月10日号 )

続きを見る

今、あなたにおすすめの記事

ライフ・マネー一覧をもっと見る