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「超加工食品」医師が指摘する「加齢黄斑変性」との関連性「夕食だけでも自炊」「シンプル調理」のススメ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.02.27 06:00 最終更新日:2024.02.27 19:57
「超加工食品」が海外で話題になっている。ブラジル・サンパウロ大学の研究者らが考案したNOVAという分類法の4グループのうちのひとつで、工業的に製造され、未加工の素材をほとんど含まない食品を指す。
超加工食品には、炭酸飲料、冷凍食品、スナック菓子、アイスクリーム、チョコレート、大量生産されたパン、マーガリン、クッキー、ケーキ、シリアル、エナジーバーなどが含まれる。同大学の研究者らは、これらの摂取を避けるべきと提唱している。
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抗加齢医学専門医で、眼科専門医でもあるルクスアイクリニック代々木上原院長の河本立徳医師は、多くの人が無意識に超加工食品を摂取している可能性があり、注意が必要だと話す。
「超加工食品というとピンとこないと思いますが、『糖分、塩分、脂肪を多く含む加工済みの食品で、硬化油、添加糖、香味料、乳化剤、保存料などの添加物を付与して、工業的過程によって作られる、常温でも保存することができ、日持ちする食品』と、米糖尿病学会が定義しています。
身体への影響としては、添加物による発がん性、飽和脂肪酸による脂質異常症、高カロリーによる肥満などのリスクがあります。ある研究によると、超加工食品の摂取量と、糖尿病、肥満、早期死亡、大腸などの消化器系のがん、認知症などは相関関係があるようです」
また、超加工食品の取り過ぎは、思わぬところにも影響する可能性があると河本医師は言う。
「じつは、目にも大きく影響する恐れがあり、加齢黄斑変性を引き起こすリスクが指摘されています。加齢黄斑変性とは、網膜の中心にある黄斑という視力に大きくかかわる部位に出血やむくみが生じ、視力が低下する病気です。放置すれば進行し、最悪失明に至るケースもあります。
超加工食品は味が濃いものが多く、中毒性が高いといえます。なるべく超加工食品の摂取量を減らし、オーガニックな野菜や果物、魚を普段の食事に取り入れることをお勧めします」
とはいえ、超加工食品は、私たちが日常的に接するものばかりで、避けるのはなかなか困難だ。低加工の食品を摂る工夫を、医師で東大大学院医学系研究員の柳澤綾子氏が解説する。
「まずは、夕食のメイン食材をそのままの状態で買って自炊する、といった方法が取り入れやすいと思います。たとえば、鶏のもも肉を購入して、ソテーにするなどです。
調味料もシンプルなものがおすすめですが、どちらか悩んだらシンプルなほうを選ぶ、という心がけから始めて問題ないと思います。
自炊に慣れてきたら、なるべく多めに作って冷凍などでストックし、必要なときに温めて食べるようにすれば、低加工食品を摂る習慣を続けやすいでしょう」
超加工食品のリスクは、まだ明らかになっていない部分も大きい。完全に排除しようとするのではなく、1日1食は自炊する、食材は原材料表示の少ないものを選ぶ、といった小さな工夫が重要だ。
( SmartFLASH )