「毎日出るゴミの量を減らしたくて、コンポスターを購入しました。区に申請すると、2万円まで助成されるんです」
こう語るのは、東京都品川区に住む50代のAさんだ。Aさんが利用したのは、品川区の「家庭用生ごみ処理機購入費助成制度」。名称や助成金額は自治体によって異なるが、同様の制度は、全国の多くの自治体が採用している。対象の機器を買えば助成の対象になる “申し込みやすい” 制度だ。
助成金や補助金に詳しい、ファイナンシャルプランナーの井戸美枝氏が補足する。
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「5月から電気料金が値上げされますし、『省エネ家電促進補助金』を活用し、冷蔵庫やエアコンを買い替えるのもいいタイミングだと思います」
そして、2024年度の目玉制度といえるのが、「住宅省エネ2024キャンペーン」だ。
「『先進的窓リノベ2024事業』を利用して断熱窓へ改修すれば、一戸あたり5万円から200万円まで工事費が補助されるうえ、冷暖房費も大きく下がるはずです。また、『給湯省エネ2024事業』で家庭用燃料電池『エネファーム』を購入すれば、1台18万円まで補助されます」(以下同)
申請先が自治体の場合、まずホームページを確認しよう。
【家電を買うだけで助成の対象に「申し込みやすい」制度14】
【緑化助成】申請しやすさ★★★★
家庭菜園を新設したり、壁面を緑化したり、自宅の屋上に花壇を造ったりした際に申請するともらえる助成金。杉並区では、個人の場合は1平方mあたり2.5万円がもらえる。「自治体によっては、50Lくらいから、移動可能なプランターでも助成対象になるケースもあります」(井戸美枝氏、以下同)
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→1平方mあたり2.5万円(東京都杉並区の例)
【省エネ家電促進補助金】申請しやすさ★★★★
省エネ性マークが緑色の家電を購入し、申請すればもらえる。「たとえば冷蔵庫だと、2007年製と2020年製では、消費電力が2倍違うといわれます。5月から電気代が値上げされますから、買い替えのチャンスですね」。人気の制度のため、予算額に達して終了していたり、抽選になったりするケースもあるので注意
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→最大7万円ぶんのポイント(埼玉県さいたま市の例)
【家庭用の生ごみ処理機購入助成】申請しやすさ★★★★
生ごみを温風乾燥する生ごみ処理機や、微生物で分解するコンポスターを購入し、申請すればもらえるお金。東京都千代田区で3万円、足立区では2万円など、各自治体により金額は異なる。領収書を保存していれば、機器を購入してから数カ月たっていても助成対象となるケースが多い
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→購入金額の2/3、上限3万円(東京都昭島市の例)
【はり・きゅう・マッサージ施術費助成】申請しやすさ★★★★
対象年齢や金額などは自治体によって異なるが、施術費用を一部負担することで利用者の負担を抑え、健康の保持増進に役立てるために交付されている。「70歳以上なら多くの市区町村で利用できますが、東京都千代田区は、国保に加入し未納がなければ、40歳から74歳まで利用ができます」
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→年度内に24回、1回1000円を補助(東京都千代田区の例)
【教育訓練給付金】申請しやすさ★★★★
失業中でなくても利用できる雇用保険の給付制度。厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を修了した場合、支払った受講費の一部を支給してもらえる。「一般教育訓練」「特定一般教育訓練」「専門実践教育訓練」の3種類があり、「専門~」では栄養士や保育士の資格が取得可能
●申請先→ハローワーク
●もらえるのは?→教育訓練受講費の20%、上限10万円(一般教育訓練給付の場合)
【給湯省エネ2024事業】申請しやすさ★★★★
省エネの実現を目的とした、2024年のイチオシ制度。「エネファーム」なら1台18万円、「エコキュート」なら1台8万円まで助成される(戸建てなら計2台まで、共同住宅は1台まで)。制度を利用できる事業者、支援対象製品が決まっている。予算が上限に達すると締め切られるので要確認
●申請先→事業者に申請してもらう
●もらえるのは?→エネファーム18万円、エコキュートは8万円
【先進的窓リノベ2024事業】申請しやすさ★★★
断熱窓への改修を促進し、住宅の省エネ化を促す制度で、登録事業者が申請する。ただし、補助対象となる窓はこの事業の性能要件を満たす製品に限られ、補助額も住宅の建て方などで異なる。制度を利用できるのは登録事業者の製品だけなので注意。予算が上限に達すると締め切られることも
●申請先→事業者に申請してもらう
●もらえるのは?→一戸あたり5万円~200万円
【宅配ボックス助成】申請しやすさ★★★
「労働不足が叫ばれるなか、宅配業者の負担を減らすために重要な助成事業です」。現状では導入事例は少ないが、東京都板橋区の場合、戸建てで5万円、集合住宅(受取人は家主)で15万円まで。IOTに対応しスマホへの通知機能がある場合は、戸建てで15万円、集合住宅で25万円まで助成される
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→戸建てで上限5万円、集合住宅で上限15万円(東京都板橋区の例)
【人間ドック助成金】申請しやすさ★★★
40歳~74歳の国民健康保険加入者で、保険料を完納している人を対象とする自治体が多い。「補助券や利用券などを持参し、差額を払う形が一般的です。受診する病院を指定される場合もあります」。東京都千代田区、台東区などは2万円まで、渋谷区、品川区などは8000円まで助成される
●申請先→市区町村や健康保険組合
●もらえるのは?→上限2万円(東京都台東区の例)
【耐震補強工事費助成】申請しやすさ★★
地震による建物の倒壊などを未然に防ぐため、耐震強度の低い戸建ての補強工事費を助成する制度。東京都中央区では、1981年5月31日以前に工事に着手した旧耐震基準の建築物の場合、補強工事の2分の1の300万円までを助成している。豊島区は100万円、中野区は150万円など金額に差がある
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→100万円(東京都豊島区)、300万円(東京都中央区)など
【親元同居近居支援補助】申請しやすさ★★
親世帯と同居、または近居するために市外から転入する子世帯に、住宅の新築や取得、増改築などの一部を補助する制度。神奈川県厚木市の場合、補助対象住宅に「10年以上近居・同居をする予定があること」などの条件があり、近居の場合は40万円、同居の場合は60万円までが助成される
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→上限60万円など(神奈川県厚木市の例)
【UIJターン支援制度】申請しやすさ★★
大都市から地方へ移住し、移住支援金対象法人に就職した場合に支援金がもらえる。自治体により金額に幅はあるが、北海道の場合、東京23区在住者、または通勤者が移住し、マッチングサイトに掲載されている対象法人に就職すると、世帯で100万円、単身で60万円が支給される
●申請先→市区町村の窓口
●もらえるのは?→世帯で最大100万円、単身で最大60万円(北海道の例)
【再就職手当】申請しやすさ★
失業給付(基本手当)を受けている状態で、新しい仕事先が決まった場合に支給される。失業給付の給付日数が所定日数の3分の1以上残っていれば基本手当日額の60%を、3分の2以上残っていれば70%を残った日数ぶんもらえる。上限は6290円、60歳以上65歳未満は5085円だ
●申請先→ハローワーク
●もらえるのは?→1日の上限6290円(60歳未満の場合)
【未払賃金立替払制度】申請しやすさ★
1年以上事業活動をおこなっていた会社が倒産し、2万円以上の未払賃金がある労働者に対し、国が一部の未払金を立て替える制度。退職日からさかのぼって6カ月前から、請求日の前日までに支払いの期日が来ている賃金と退職金について、8割相当の額を受け取れる。年齢に応じて上限がある
●申請先→労働基準監督署など
●もらえるのは?→未払賃金総額の8割など