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【すぐ隣りにいる野生動物】シカやイノシシは「河川敷」から侵入、ハクビシンが「2階建て一軒家の屋根裏」に住み着くことも!(画像1/11)公開日:2024.06.16 更新日:2024.06.15

【クマ】過去最悪となった昨年度に続き、今年も春からクマの被害が出ている。5月31日には、新潟県阿賀町で自宅裏の竹林でタケノコ採りをしていた50代の男性がクマに襲われ、頭などに怪我をした。「今のクマは特に危険」と話すのは、日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏だ。「クマはタケノコが大好きです。しかも5~6月は交尾期でとても興奮しています。そんなときにタケノコを採っている人間に出くわしたら、驚いて人を襲ってしまいます」

【クマ】過去最悪となった昨年度に続き、今年も春からクマの被害が出ている。5月31日には、新潟県阿賀町で自宅裏の竹林でタケノコ採りをしていた50代の男性がクマに襲われ、頭などに怪我をした。「今のクマは特に危険」と話すのは、日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏だ。「クマはタケノコが大好きです。しかも5~6月は交尾期でとても興奮しています。そんなときにタケノコを採っている人間に出くわしたら、驚いて人を襲ってしまいます」

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【クマ】クマに出くわさないために、知っておきたい “出没サイン” がある。「いちばんわかりやすいのは『クマ棚』。木に登ってどんぐりなどを食べるとき、実のついた枝を手前に寄せるので、枝が折れて樹上に集まり、ベッドのようになる。これがクマ棚で、前年にクマがその木で実を食べたということを表わします」(日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏)。もうひとつわかりやすい “出没サイン” が、足跡と爪痕だ。「雨上がりだと足跡がわかりやすく、後ろ足では長さが20cm、幅が15cmほど。あとは木についた爪痕。登った木から降りるときに、足でブレーキをかけるので、木の皮がめくれて上から削れるように縦に筋がつく。これはほかの動物ではつかないクマのサインです」。また、クマが山菜を食べた跡もわかりやすいという。「クマは草の上の柔らかい部分だけを食べるので、根元が残ります。また、非常に消化力が弱く、食べたものと同じ色の糞をします。乾燥すれば茶色くなりますが、たとえばタケノコや山菜を食べた後の糞は緑色です。直径は20cmぐらいと大きいのが特徴です」/クマが木の実を食べるために木に登ったときにできる5本の爪の痕(写真・共同通信)

【クマ】クマに出くわさないために、知っておきたい “出没サイン” がある。「いちばんわかりやすいのは『クマ棚』。木に登ってどんぐりなどを食べるとき、実のついた枝を手前に寄せるので、枝が折れて樹上に集まり、ベッドのようになる。これがクマ棚で、前年にクマがその木で実を食べたということを表わします」(日本ツキノワグマ研究所理事長の米田一彦氏)。もうひとつわかりやすい “出没サイン” が、足跡と爪痕だ。「雨上がりだと足跡がわかりやすく、後ろ足では長さが20cm、幅が15cmほど。あとは木についた爪痕。登った木から降りるときに、足でブレーキをかけるので、木の皮がめくれて上から削れるように縦に筋がつく。これはほかの動物ではつかないクマのサインです」。また、クマが山菜を食べた跡もわかりやすいという。「クマは草の上の柔らかい部分だけを食べるので、根元が残ります。また、非常に消化力が弱く、食べたものと同じ色の糞をします。乾燥すれば茶色くなりますが、たとえばタケノコや山菜を食べた後の糞は緑色です。直径は20cmぐらいと大きいのが特徴です」/クマが木の実を食べるために木に登ったときにできる5本の爪の痕(写真・共同通信)

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【カメムシ】全国で大量発生中のカメムシ。石川県立大学の弘中満太郎准教授は「青臭い匂いを感じたら、近くにいるカメムシに自分が刺激を与えている可能性が高い」と話す。「ほかには、家庭菜園で育てている植物などの新芽がいびつになったり、果実がくぼんだりした場合は、カメムシが葉や実を吸っている可能性があります。春は、室内や外壁で越冬したカメムシが山や林などに戻っていく季節なので、窓際やベランダなどの暖かい場所に出てきやすい。秋には直射日光の当たる壁や、洗濯物から発見されることが多いです」。 害虫防除技術研究所の白井良和所長は「種類によっては白いものに止まりやすいマルカメムシもおり、夜は明かりに集まる習性がある」と話す。「家の中に入るのを防ぐには、室内灯を虫が集まりやすい波長が含まれていないLEDにしたり、窓枠にカメムシ対策のエアゾールを噴射すると効果的です」

【カメムシ】全国で大量発生中のカメムシ。石川県立大学の弘中満太郎准教授は「青臭い匂いを感じたら、近くにいるカメムシに自分が刺激を与えている可能性が高い」と話す。「ほかには、家庭菜園で育てている植物などの新芽がいびつになったり、果実がくぼんだりした場合は、カメムシが葉や実を吸っている可能性があります。春は、室内や外壁で越冬したカメムシが山や林などに戻っていく季節なので、窓際やベランダなどの暖かい場所に出てきやすい。秋には直射日光の当たる壁や、洗濯物から発見されることが多いです」。 害虫防除技術研究所の白井良和所長は「種類によっては白いものに止まりやすいマルカメムシもおり、夜は明かりに集まる習性がある」と話す。「家の中に入るのを防ぐには、室内灯を虫が集まりやすい波長が含まれていないLEDにしたり、窓枠にカメムシ対策のエアゾールを噴射すると効果的です」

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【シカ】農研機構の平田滋樹上級研究員は「シカ(ニホンジカ)の出没の痕跡は、ポロポロとした特徴的な丸っこい糞。芝の上などに落ちているので、見つけやすいと思います」と話す(写真・共同通信)

【シカ】農研機構の平田滋樹上級研究員は「シカ(ニホンジカ)の出没の痕跡は、ポロポロとした特徴的な丸っこい糞。芝の上などに落ちているので、見つけやすいと思います」と話す(写真・共同通信)

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農研機構の平田滋樹上級研究員がこう話す。「シカは植物の葉のほかに、樹皮を剥ぎ取って食べることもあります。木の皮がなくなって幹がむき出しになっているので、痕跡としては見つけやすいと思います。また、シカが多い地域では、口が届く高さ2mくらいまでの木の葉や草がまったくなくなっていることがあります」。さらに、鳴き声にも特徴があるという。「秋の発情期には、ピィーという高い鳴き声が聞こえることがあります。背が高いので、シカやその痕跡は、比較的見つけやすいと思いますよ」(写真・農研機構提供)

農研機構の平田滋樹上級研究員がこう話す。「シカは植物の葉のほかに、樹皮を剥ぎ取って食べることもあります。木の皮がなくなって幹がむき出しになっているので、痕跡としては見つけやすいと思います。また、シカが多い地域では、口が届く高さ2mくらいまでの木の葉や草がまったくなくなっていることがあります」。さらに、鳴き声にも特徴があるという。「秋の発情期には、ピィーという高い鳴き声が聞こえることがあります。背が高いので、シカやその痕跡は、比較的見つけやすいと思いますよ」(写真・農研機構提供)

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【イノシシ】農研機構の平田滋樹上級研究員は「イノシシは泥で体についたダニなどの寄生虫を落としたり、体温調整のために『ヌタ場』と呼ばれる穴を掘って、泥浴びをします。泥浴びをした後は、近くの木に体を擦りつけます。泥や2本の並行した牙の傷跡が木の幹につくので出没サインとしてわかりやすい」と言う。こんな器用な一面もある。「果樹の皮を剥いて薄皮を吐き出すんです。最初は人間の仕業かと思いますが、近くに足跡や掘り起こしの痕があれば、イノシシでしょう」(写真・共同通信)

【イノシシ】農研機構の平田滋樹上級研究員は「イノシシは泥で体についたダニなどの寄生虫を落としたり、体温調整のために『ヌタ場』と呼ばれる穴を掘って、泥浴びをします。泥浴びをした後は、近くの木に体を擦りつけます。泥や2本の並行した牙の傷跡が木の幹につくので出没サインとしてわかりやすい」と言う。こんな器用な一面もある。「果樹の皮を剥いて薄皮を吐き出すんです。最初は人間の仕業かと思いますが、近くに足跡や掘り起こしの痕があれば、イノシシでしょう」(写真・共同通信)

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【イノシシ】農研機構の平田滋樹上級研究員は、イノシシのわかりやすいサインは「食痕」だと話す。「木の根っこを食べるときに、わりと広めに土をどかしたり、穴を掘ったりします。これがイノシシの食痕だと知らないと土が崩れているだけだと思いがちですが、自宅の庭を掘り返されていることがあります」(写真・農研機構提供)

【イノシシ】農研機構の平田滋樹上級研究員は、イノシシのわかりやすいサインは「食痕」だと話す。「木の根っこを食べるときに、わりと広めに土をどかしたり、穴を掘ったりします。これがイノシシの食痕だと知らないと土が崩れているだけだと思いがちですが、自宅の庭を掘り返されていることがあります」(写真・農研機構提供)

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【アライグマ】「アライグマは、川に沿ってじわじわと生息域を広げてきました。10年以上前から、すでに都会に出てきていたと思われます」。こう話すのは、鳥獣被害対策アドバイザーの古谷益朗氏だ。アライグマの好物は果実。庭に植えている柿やキンカン、ミカン、ビワやイチジクなどは狙われやすいという。家庭菜園や、河川敷にある市民農園などの果実も “格好の餌食” だ。

【アライグマ】「アライグマは、川に沿ってじわじわと生息域を広げてきました。10年以上前から、すでに都会に出てきていたと思われます」。こう話すのは、鳥獣被害対策アドバイザーの古谷益朗氏だ。アライグマの好物は果実。庭に植えている柿やキンカン、ミカン、ビワやイチジクなどは狙われやすいという。家庭菜園や、河川敷にある市民農園などの果実も “格好の餌食” だ。

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【アライグマ】アライグマの果実の食べ方は特徴的なので、それが “出没サイン” となる。「前足で果実を持って動かして食べるので、最後にはボトッと落とします。食べた後の果実には、前足の爪痕が残っているのが特徴ですね。果実の食べ残しが落ちていて、その果実に爪痕が残っていたら、アライグマが近くにいることを疑ったほうがいいでしょう」。また、空き家や2階建ての一軒家の屋根裏などに住み着くことも多い。「アライグマが移動すると、斜めに引っ掻いたような傷跡がつきます。木造住宅などにそういった痕跡があったら、住み着かれている可能性があると考えていいでしょう」/前足の爪痕が残っているアライグマが食べた果実(写真提供・古谷益朗氏)

【アライグマ】アライグマの果実の食べ方は特徴的なので、それが “出没サイン” となる。「前足で果実を持って動かして食べるので、最後にはボトッと落とします。食べた後の果実には、前足の爪痕が残っているのが特徴ですね。果実の食べ残しが落ちていて、その果実に爪痕が残っていたら、アライグマが近くにいることを疑ったほうがいいでしょう」。また、空き家や2階建ての一軒家の屋根裏などに住み着くことも多い。「アライグマが移動すると、斜めに引っ掻いたような傷跡がつきます。木造住宅などにそういった痕跡があったら、住み着かれている可能性があると考えていいでしょう」/前足の爪痕が残っているアライグマが食べた果実(写真提供・古谷益朗氏)

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【ハクビシン】 ハクビシンは空き家や2階建て一軒家の屋根裏などに住み着くが、街なかにおいては、水のある場所に “出没サイン” があるという。「排水溝のたまるところや、水たまりなどに糞があったらハクビシンで間違いありません。かなり器用で、垂直方向に上がることができますから、家の雨樋などに人の手に似た足跡があれば、ハクビシンが上がった痕跡だと考えていいでしょう。1カ所に集中して何十頭が住んでいるケースも多々あります」(鳥獣被害対策アドバイザーの古谷益朗氏)

【ハクビシン】 ハクビシンは空き家や2階建て一軒家の屋根裏などに住み着くが、街なかにおいては、水のある場所に “出没サイン” があるという。「排水溝のたまるところや、水たまりなどに糞があったらハクビシンで間違いありません。かなり器用で、垂直方向に上がることができますから、家の雨樋などに人の手に似た足跡があれば、ハクビシンが上がった痕跡だと考えていいでしょう。1カ所に集中して何十頭が住んでいるケースも多々あります」(鳥獣被害対策アドバイザーの古谷益朗氏)

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【ハクビシン】 ハクビシンの生息域はアライグマと重なるところも多いが、果実の食べ方に大きな違いがある。鳥獣被害対策アドバイザーの古谷益朗氏が言う。「皮を残して果実を食べるのが特徴です。柑橘類などは人間が食べたように、きれいに皮だけ残っています。道端にきれいに剥かれた果実の皮がボツボツと落ちていたら、近くにハクビシンがいるサインです」(写真提供・古谷益朗氏)

【ハクビシン】 ハクビシンの生息域はアライグマと重なるところも多いが、果実の食べ方に大きな違いがある。鳥獣被害対策アドバイザーの古谷益朗氏が言う。「皮を残して果実を食べるのが特徴です。柑橘類などは人間が食べたように、きれいに皮だけ残っています。道端にきれいに剥かれた果実の皮がボツボツと落ちていたら、近くにハクビシンがいるサインです」(写真提供・古谷益朗氏)

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