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ワーママにのしかかる夏休み「学童弁当問題」各施設で調理できないワケ…「食費めっちゃかかる」「毎日つくるのかぁ」絶望の声も

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.07.10 18:11 最終更新日:2024.07.10 18:11

ワーママにのしかかる夏休み「学童弁当問題」各施設で調理できないワケ…「食費めっちゃかかる」「毎日つくるのかぁ」絶望の声も

写真・PIXTA

 

《今日は忙しかった。まじ忙殺。お仕事おわりにLINE開いたら「今年の学童、弁当注文なし」ってなってて絶望。毎日つくるのかぁ…》

 

 夏休みを目前に控えた7月8日、Xにポストされた保護者の「嘆き」である。この声にいたく共感するのは、自身も子育て中の40代のある女性だ。こう、自身の苦労を振り返る。

 

「夏休み、子どもを学童保育(放課後児童クラブ)に預けられるかどうかは、ワーママ(ワーキングママ・働くお母さん)にとって大きな悩みです。『預けることができたらラッキー』というくらいどこもあいてないんですが、もし預け先が見つかったとしても、今度は忙しい朝にお弁当の心配をしなくちゃならない。これが大変なんです」

 

 夏休みともなれば、子供を一日学童保育に預けることになるが、その分弁当を作る手間が増えてしまう。それが毎日ともなれば、ワーママへの負担が重くのしかかるのだ。Xにはほかにも《夏休みくるなー。小学生、学童は毎日弁当だし、中学生はご飯を置いてかないといけない。食費めっちゃかかる…》といった声が……。

 

 

 夏休みは弁当持参必須の学童保育が多い裏には、学童保育特有の事情があるようだ。保護者と学童保育の指導者による民間団体である全国学童保育連絡協議会の担当者はこう語る。

 

学校給食は、各校の調理施設で作られるか、給食センターから届けられます。保育所にも、それぞれに調理施設があります。しかし学童保育所には調理施設の基準がないため、お湯を沸かす程度の設備しかないところもあります。そのため、お弁当持参を基本にしている自治体が多いのです」

 

 また、自治体の予算配分などの違いからも、地域差が出るという。しかし、弁当が出るからといってワーママたちが安心できるわけではない。Xには、こんな投稿も……。

 

《今夏よりお弁当サービスが導入される!!素晴らしい! しかし一食590円。 2人分で1日の弁当代 1,180円。 1ヶ月で約23,600円》

 

 このように、学童保育で弁当サービスが導入されても、毎日の弁当代が高額になってしまうという悩みもあるのだ。それ以外にも、食育の観点から「なるべく家庭で作った食事を食べさせたい」という親も多いようだ。

 

 前出の協議会関係者も、このように「学童弁当問題」の難しさを語る。

 

「家庭によって『手作り弁当を食べさせたい』『仕事があるのでお弁当を作る時間がない』『お弁当サービスは経済的に負担がある』など事情はさまざまです。方向性を決めるのは難しいこともあります」(前出・連絡協議会)

 

 家庭の食育方針によっては、一概に「弁当なし」が解決策ではない。「食の経験は大切」「食べることは生活の一部」という考えのもと、自宅からは「ご飯」だけを持参して、学童保育所内でレトルト食品などを調理して昼食にするなど工夫をしているところもあるそうだ。

 

 では、「待機児童大国」ではどのような施策がとられているのか……。こども家庭庁が2023年5月に発表した「放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)の実施状況」のなかで、待機児童が最も多いとされた千葉県船橋市。7月1日時点での待機児童数は、ホームページを見ると250人となっている。同市の「放課後ルーム」(公営の学童保育)の通常月額利用料は、おやつ代を含めて月額1万円となっているが、夏休み期間中の昼食に関しては、追加料金が加算されるという。同市の担当者に聞くとこう答えた。

 

「船橋市は公設公営の学童保育のすべてで、提携業者にお弁当を頼むことができます。『ご飯なしのおかずだけ』という頼み方もできて、1食およそ500円前後です」

 

 これなら、「弁当を作ることが負担」という家庭は丸ごと業者に弁当を頼むことで解決でき、「食育のためにも少しは家庭から食事を出したい」という親にはおかずだけ頼むという選択肢ができる。

 

 女性の社会進出が叫ばれる今、各家庭の教育方針に合わせた学童弁当の解決策が求められているのだ。

( SmartFLASH )

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