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足立の花火「開始20分前に中止」で70万人が無念…「この夏はあちこちでゲリラ豪雨」イベント突然中止のリスクを気象予報士が警告
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.07.21 19:04 最終更新日:2024.07.21 19:04
2024年7月20日午後から夕方にかけて、関東各地はゲリラ豪雨に見舞われ、東京都内では断続的に雷も発生。JR上野駅では雨漏りが発生、新宿区大久保では道路が冠水する被害となった。
この日、足立区では昨年74万人の観客を集めた花火大会が予定されていたが、豪雨や落雷のおそれがあるとして開始20分前に中止となった。約1万3000発の花火がうちあげられる “夏の風物詩” の突然の中止に、Xには「がっかり」の声があふれた。
《足立花火大会直前、多くの落雷が観測された。…こんなんサンダーボルトじゃん。場のモンスター全て破壊するじゃん。》
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《足立区花火大会打ち上げ2分前(編集部注・原文ママ)に中止www何しに行ったんw》
《足立区花火大会まさかの雷で中止の瞬間、えええええ~?経済効果を考えギリギリまでアナウンスしないやり口か。。。》
晴れた暑い日に突然、黒雲が湧き豪雨や落雷をもたらす。近年、こうした「ゲリラ豪雨」が増えている。その理由を、気象予報士の白戸京子氏がこう説明する。
「ゲリラ豪雨の一番の原因は暑さです。強い日差しで地表が熱されると空気の温度が上昇します。空気が暑くなると、水蒸気をふくみやすくなり、高温多湿の状態になります。
このとき、上昇気流が発生し、上空に冷たい空気が入るなど大気の状態が不安定になると、積乱雲が発達します。その積乱雲の下で豪雨や雷が発生し、時には竜巻を引き起こし、雹(ひょう)を降らせるんです。
ゲリラ豪雨の雨の降り方は熱帯のスコールのように激しく降ります。また、豪雨の範囲は積乱雲の下に限られますから、20キロから40キロの狭い範囲で局地的な豪雨になるのです。
たとえば、足立区で雨が降っているのに世田谷区では全然降っていないこともあり、予測が困難です。局地的に予測困難な大雨が降るので “ゲリラ豪雨” と呼ぶのです」
足立区の花火大会が開催わずか20分前まで中止の判断ができなかったのも、雨の “ゲリラ性” にあったとみている。
「中止の発表が20分前となったのは、運営体制の問題もあるかもしれませんが、雨雲が花火会場を通るか通らないか、直前までわからなかったからでしょう。
直前になって、雨雲レーダーを確認して『これはまずい』と判断したのが20分前だったのだと思います。ゲリラ豪雨はギリギリまで来るか来ないか予測が困難なんです」(同)
白戸氏は、ゲリラ豪雨はこの夏にも頻発すると予測する。
「温暖化で地球全体が温まっており、地球全体で、今年6月まで13カ月連続で最高気温を記録しています。海水温も過去最高です。そのうえ、とくに都市部はヒートアイランド現象で高温化していますから、この夏はあちこちでゲリラ豪雨が予想されます」
この夏も日本各地で花火大会が開催される。都内だけでも、葛飾納涼花火大会(7月23日)、 隅田川花火大会(7月27日)、 立川まつり 国営昭和記念公園花火大会(7月27日)、いたばし花火大会(8月3日)などが予定されている。だが、今回のように、突然「中止」になってもおかしくない。その心づもりはしておいたほうがよさそうだ。
( SmartFLASH )