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「平日朝から長蛇の列」松屋 香港1号店オープンで海外版“牛丼戦争”が過熱!「大手3社どこがうまい?」現地ジャーナリストが判定

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2024.08.24 16:45 最終更新日:2024.08.24 16:45

「平日朝から長蛇の列」松屋 香港1号店オープンで海外版“牛丼戦争”が過熱!「大手3社どこがうまい?」現地ジャーナリストが判定

人であふれかえる香港の松屋直営1号店

 

《売上、世界一です ありがとうございます》

 

 8月21日夜、「#松屋香港」のハッシュタグとともに、Xにこう投稿したのは松屋・香港店の担当者と見られるアカウントだ。

 

 牛丼チェーン「松屋」などを展開する松屋フーズホールディングスが8月11日、香港・九龍地区にオープンした「松屋」直営1号店が連日大盛況を呈しているという。中国本土、台湾、モンゴルに続く4地域目となる海外展開だが、多くの日本食チェーンがひしめく香港へは初進出。それだけに、関係者は予想以上の売上に胸を撫でおろしているのが冒頭の投稿からも伺える。

 

 

 現地での客の入りについて、香港在住ジャーナリスト・角脇久志氏がリポートする。

 

「Facebookや100万人以上がフォローする香港地元メディア『新暇期』など、SNSやネットニュースを中心に松屋の開店は話題になっており、オープン前から香港人の関心は高かったと思います。初日から長蛇の列の写真をSNSにアップする人も相次ぎ、いま香港では最もホットなスポットになっていますよ。私が行ったのはオープンから4日目、8月14日の夜7時頃でしたが、平日にもかかわらず入店待ちの列はビルの外まで延々続いており、1時間くらい並んでやっと入店できました。その混雑ぶりは開店から10日以上たった今も変わらず、朝から大勢の客で賑わいを見せています。

 

 もともと、多くの香港人は台湾と同じように親日的で、日本の商品やレストランが大好き。過去にスシローが香港に出店した際にも、2~3時間の行列は当たり前。松屋にも、流行りもの好きな人々がイベント感覚で詰めかけているんだと思います」(以下、角脇氏)

 

 気になるサービスや値段、味のほうはどうなのだろうか。

 

「サービスに関しては、行列ができていても客の誘導などスムーズで、券売機でメニューの選択に迷っているとヘルプしてくれるなど、質は高いと感じました。私はカレーに牛丼の肉をのせた『チキンカレギュウ』(59香港ドル=約1100円)を注文。カレーは甘口ながらスパイスが効いてピリッと辛く、日本で食べる松屋のカレーの味そのもので美味しかったですね。一緒に行った香港人の友人は『ネギ牛めし』を食べたのですが、『とても美味しい』と喜んでいました。私もひと口食べさせてもらったところ、煮込んだ牛肉が柔らかく、カレーと同じく日本と同レベルと感じました。物価が日本よりも高い香港では非常にコスパがよく、そのあたりも売りになるのではないでしょうか。

 

 メニューに関しては、日本での売れ筋商品に絞っている印象。香港限定メニューとして、サイドメニューの『油菜(青菜料理)』や、香港人が好きなコークゼロを置いているくらいで、日本との違いはあまりありません。今後、香港人向けのメニューを開発する考えもあるようですが、今のところは日本と同じメニューを打ち出しているようです」

 

 中国の飲食店検索サイトには、松屋香港店についておおむね好意的な声が寄せられている(翻訳は編集部)。

 

《プレオープンの日に行き、テイクアウトしてネギ牛めしを食べた。肉は大きくて量も多い。サービスも日本からの管理者が来ているからか、店員は礼儀正しい。味はちょっとしょっぱいがビールには合う感じ。この味とレベルをキープして欲しいね》

 

《家族で食べに行き、生姜焼き定食とキムチ牛丼を注文した。生姜焼きは生姜が利いていて肉も柔らかく、とても美味しかった。キムチ牛丼は普通かな。後は、あきたこまちを使っているから、コメが美味しくてポイントが高かった》

 

 まずは上々の滑り出しとなった松屋だが、現地にはすでに吉野家すき家が進出を果たしている。

 

「香港の吉野家は、1991年に1号店が開店。現地企業と提携し、フランチャイズで約50店舗を運営しています。味については、牛肉が日本の店舗より少しパサついた印象ですが、まあ海外でこのレベルの牛丼が食べられれば御の字というレベルかと。香港のファーストフード店として根づいており、メニューに関してはかなりローカル化しています。『野菜鶏肉出前一丁ラーメン』『東坡肉(トンポーロー)と鶏肉ご飯』など、現地オリジナルメニューが多いのが特徴です。ただ、この吉野家は2019年の香港デモが発生したときに、フランチャイズ企業側のトップが『香港の警察と政府を支持する』と表明したため、デモ隊や民主派を支持する若者に大変受けが悪い。一時の吉野家ボイコットから回復したものの、かつての勢いはなく、空席も目立ちます。

 

 そんななかで2019年12月、すき家が出店したことで、『牛丼は食べたいが吉野家はボイコットしたい』という香港人の受け皿になりました。現在、すき家は香港で12店舗まで増やしています。今回の松屋のオープンで牛丼御三家が香港に出揃い、競争はさらに激しくなるでしょう」

 

 競合する松屋と吉野家、すき家。香港人の好みに合うのはどのチェーンなのか、角脇氏の私見はこうだ。

 

「松屋の香港1号店は、日本人店長がオペレーションをおこなっているのが売りです。味に関しては断然、松屋ですね。日本と同レベルと言っていいですし、お米にあきたこまちを使用しているので、ご飯がモチモチして美味しいのがありがたい。吉野家はご飯が少しパサパサしていると感じるんです。また個人的に、松屋は各テーブルに紅ショウガがあり、食べ放題なのが嬉しいところ。吉野家は小さいパックに入っているタイプだし、すき家は赤くないガリで好みじゃなくて(笑)。

 

 サービス面では松屋、吉野家、すき家のどこも可もなく不可もなく。ただ、松屋に関しては店内の席が比較的ゆったりと配置されていて好印象です。土地の狭い香港では席がみっちり詰められている店が多いなかで、ゆっくり食事できるのがいい。総合して松屋がおすすめですが、行列に長時間並ぶのはつらいので、早く店舗を増やしてほしいですね」

 

 味にうるさい香港で、日本の“牛丼戦争”が開幕だ!

( SmartFLASH )

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