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トランプ暴落相場で「買い」の銘柄を専門家が指南…おすすめは「全世界株式」「『金』が含まれる投資信託」

「手術は終わった。患者は生き延び、回復している」
4月3日、アメリカの相互関税引き上げを病気の治療にたとえて、こうSNSに記したのはトランプ大統領(78)だ。
4月7日、週明けの東京市場は “トランプショック” に大きく揺れ、日経平均終値は前週末より約2600円以上と過去3番めの下落幅となった。
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このようにアメリカの相互関税の影響で、全世界の株式市場は大混乱している。この「トランプ暴落相場」は、今後どうなるのか。
「当面の間、関税交渉やトランプ政策の不透明感から、株価が最高値まで戻るのは難しい局面が続くでしょう」
こう話すのは、スマートフォン専業証券会社、ブルーモ証券代表取締役兼CEOの中村仁氏だ。
「しかし、企業業績などの経済の基礎条件は悪くないので、妥当なラインに関税交渉が落ちつけば成長軌道に戻ると予想しています。ただ、昨年末に各社が予想した『S&P500の6500超え』にはならないと見ています」(中村氏)
「FLASH」はこれまで資産運用のために「ほったらかし投資」を推奨してきた。この投資法では、「下がったときこそ、買い増し」が基本だが、”乱高下市場” でそれは正しいのか。
「ひと言で言えば買いです」と話すのは、「ほったらかし投資」で資産を2倍にした “本家”、ファイナンシャルプランナーの横山光昭氏だ。
「全力で買いたいところですが、まだ下がる可能性もあります。たとえば余裕資金が100万円あるなら、50万円は買いを入れておきたいです。これが2〜3年は続くかもしれませんが、長い目で見たらプラスになると思います」(横山氏)
横山氏は、投資信託でこれまで推奨した「eMAXIS Slim全世界株式」(オールカントリー)を買い増すのが無難だと話すが、新たなおすすめを紹介してくれた。
「ETF(上場投資信託)で、バンガード社が提供する『バンガード・トータル・ワールド・ストックETF』(VT)という商品があります。これは、全世界型のETF。株のように1分、1秒ごとに値段が変動するので、下がったときに買うことができます」
「個別株」の購入はどうか。
「個別株はやめるべきです。株価の落ち幅・上がり幅が大きく、リスク(不確実性)が高すぎて目利きが難しい。ただ、こういうときでも投資への向き合い方は同じ。下がったときに買って、そのまま保有するやり方でいいと思います」(同)
では、実際、投資家たちはどんな買い方をしているのだろうか。前出の中村氏に聞く。
「相場環境の急変で大きく減損している方が多いですが、投資に経験のある長期思考のお客様が多いので、むしろチャンスと見て、買い増すほうが優勢です。また、日々急変する相場でも毎日『買い』を入れることで、心理的な安定性を保とうとしている方も多いようです」
やはり株価が乱高下するなかで、心穏やかな投資家は少ないのかもしれない。
「これほど押し目買いのタイミングがわからない相場も珍しい」と話すのは、ライフプランや資産運用相談を受けながら、相続のスタートアップ企業の経営者としての顔を持つファイナンシャルプランナーの工藤崇氏。
「市場が不安定なときは、やはり安定資産の『金』が含まれる投資信託をおすすめしたいです。『SBI iシェアーズゴールドファンド(為替ヘッジなし)』や『三菱UFJ純金ファンド』はいいと思います。
とはいえ、近々のライフプランでまとまった支出がある場合は、相場への参加は控えることを推奨します」(工藤氏)
このディール、余裕資産で「買い」が正解のようだ。