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神取忍、“第2の拠点” で「米作り」に初参戦!「足腰もメンタルも鍛えられる」町の人との交流も支えに

いとおしそうに田んぼに手を入れた神取忍
「令和の米騒動」で大忙し! 田んぼに夢を託してきた芸能人に聞く、米作りの喜びと人生の転機とは――。
神取忍(60)は、自身が率いるLLPW-Xの仲間たちと、静岡県清水町で「神取米」作りに初挑戦している。
「 “水のきれいな町だよ” と紹介されたのがきっかけで、3年前から通うようになったんだ。昨年には、井上貴子と一緒にふるさと大使に任命された。『そういうのは柄じゃない』と、最初は断わろうとしたんだけどね(笑)」
今では、団体の “第2の拠点” になった。7月12日には湧水で有名な柿田川公園内に特設リングを設け、公開試合を開催。大使就任を記念し、入場は無料にした。
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「昔から食べること、とりわけお米が大好き。清水に来るようになって、米づくりにトライすることが念願になった。まずは準備段階で去年はサツマイモを植えたんだ。トレーニング抜きで、いきなりリングに立つわけにはいかないから(笑)」
ところが、水害で壊滅的打撃を受け、収穫はほぼゼロに。「今年も記録的猛暑なので、干ばつが心配」と言いながら、神取は空を見上げた。
「父方の実家は、愛知の西尾の農家で夏休みの大半はそこで過ごした。トマト栽培や養鶏などをし、手伝えと言われては逃げていたけど(笑)、ほぼ自給自足の生活。それが原体験だったかもしれないな」
野良仕事は泥と格闘し、「足腰を半端なく使うからトレーニングにもなる」と神取。
「泥にまみれ、足腰が鍛えられるけど、やっぱりメンタルもだよね。新人がすぐやめる時代だけど、町の人との交流は、大きな支えになると思うね」
食べること自体も鍛錬だ。
「体を動かすのが6、食べるのは4ぐらいの割合かな。私は柔道選手時代、酸化しやすい体質だったらしく、道着が擦れてできた傷がなかなか治らずに膿んだりしていた。薬や漢方茶を飲んでも効果がなくて、体質を根本的に改善しなきゃらないと痛感したんだ。そこからだね、栄養管理を気にし出したのは」
刈り入れまでには「農の経験をプロレスにもフィードバックしたい」と、新たな必殺技も考案中だ。
「草取りは厄介だけど、『神取米』は栄養価が高く、美味しいはず。収穫したら『こども食堂』へ提供するなど、地元に還元するつもりだよ」
神取忍
1984年、世界柔道選手権大会3位などの経歴を持ち、女子プロレス界を牽引。現在は「LLPW-X」を率い、農業を通じてプロレスと地域貢献の融合を図っている
写真・保坂駱駝
取材/文・鈴木隆祐