
『開運!なんでも鑑定団』(テレビ東京系)でも活躍する波多野茂さん(右)と、コレクターの田川浩樹さん(写真・木村哲夫)
フィギュアやCD、蔵書など、大切にしていたコレクションを、遺族に二束三文で売り飛ばされないためにやっておくべきこととは――。コレクターが直面する“終活”のリアル。
会社員の田川浩樹さん(仮名・60)のコレクションは、16番ゲージ(HOゲージ)という鉄道模型。その行く末を、どのように見すえているのか。
「自分が死んだ後は、家族に処分してもらってかまいません。でも自ら整理するとなると、思い入れが強い分、どうしても気が重くなるんです」
そう語る田川さん。鉄道模型でもっともポピュラーなNゲージの軌間が9mmであるのに対し、16番ゲージは16.5mmと大型。その分、高額で、ディテールにこだわる愛好家が多い。田川さんが20年かけて集めたコレクションは1500両超、総額は約数千万円になる。
「40歳ごろから、家族旅行で乗った車両を中心に集めるようになり、スイッチが入りました。走らせるスペースがないため、大半は押入れで保管していますが、やはり16番ゲージは迫力が違うんです」
乗車したときの思い出に限りなく近づけたいと、自ら車体を塗り替えたり、5mmほどのシートカバーを自作したり、その作り込みは徹底している。それだけに、田川さんにはある不安が。
「じつは、家族にはこれほどの資金を投じてきたことを、明かしていないんですよ。でもこれがあれば、遺された家族が車両の価値をひと目で把握できると思いまして」
と、田川さんは手製のリストを広げてみせた。車両ごとにメーカー名や両数、入手日、購入価格などが細かく書き込まれ、オークションや中古市場での相場も記載されている。
今回は、このリストを鉄道模型店「ボンジュック」(東京都大田区)オーナーの波多野茂さんに見てもらった。
「ここまで整った編成でそろえている方は、日本でもそう多くはありません。鉄道模型は高級な趣味として認識されており、所有者が丁寧に扱うため、大きく値崩れしにくい傾向があります。田川さんのコレクションのなかには、購入時を上回る査定が見込めるものもありますよ」
気になる査定結果は、買ったときの価格をほぼキープ。価値がしっかりと保たれていることに、田川さんは安堵の表情を浮かべた。
「僕は定年が近いですし、なるべくこれ以上、増やさず、価値が高まるよう手を入れていきたいですね。最終的には家族に現金化してもらうつもりです。『棺に入れるのは厳禁』とも伝えます(笑)」
「デジタル遺品を考える会」代表で、“私物の行く末”について調査を続ける古田雄介氏に、田川さんのコレクションについて、アドバイスしてもらった。
「コレクションをリスト化している点は非常に優れています。寄贈も売却もスムーズに進められますし、単なる一覧ではなく、個々に評価の目安をつけているのも重要です。田川さんの場合、その作業自体を楽しんでいる様子が伝わってきますね。理想的な“終活の形”と言えるでしょう」
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