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お骨はどうすればいいのか(1)拡大する「海洋散骨」「宇宙葬」

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.05.28 06:00 最終更新日:2018.05.28 06:00

お骨はどうすればいいのか(1)拡大する「海洋散骨」「宇宙葬」

 

 年間130万人が亡くなっている。一日平均、じつに3500人。この数は今後、増え続けていく。超高齢化による「多死社会」到来に、どう備えればいいのだろうか。いま、「葬儀」は変化を遂げているーー。

 

「お骨」は納骨するだけではない。現在は多様化していて、利用者が増えているのが海洋散骨である。

 

「10年前に海洋散骨を始めたころは、年に数件ぐらいでしたが、いまは年間400件ほどのご依頼があります。今後はもっと増えそうです」

 

 こう話すのは、海洋散骨をおこなっている(株)メモリアルスタイルの西山悦子さん。

 

 同社では家族(個人)、合同、代行(委託)の3種類の散骨があり、家族散骨の場合、4名まで乗船できる小型クルーザー利用で、平日なら13万円(土日・祝日は22万円)から。

 

 散骨場所は、東京、横浜、相模湾、三浦半島、館山洲崎沖など10カ所から選ぶことができ、場所によって料金が異なる。合同の場合は12万円、遺族が同行しない代行は5万円(ともに土日・祝日のみ)。

 

 海洋散骨をするためには、遺骨を粉にする必要があるので、粉骨料金3万円がそれぞれかかる。

 

「高倉健さん主演の映画『あなたへ』(2012年公開)のなかで、奥さんの遺志で健さんが海へ散骨するシーンがあるんです。それ以来、問い合わせが増えたように思います。海洋散骨は水溶性の袋に粉骨を納めて海に還しますが、海水に溶けていく様子はとてもきれい。

 

 先日はあるお子様が『オーロラみたい』と話していました。皆さん、『ありがとう』『さようなら』と自然に口にされますし『行ってらっしゃい』と言う方もいます。散骨した場所へ向かう法要クルーズもおこなっています」

 

 海洋散骨に続いては宇宙葬だ。

 

「これまでにも、弊社を通じて5名の方が打ち上げられましたが、2018年には22名の方が打ち上げられる予定です」((株)銀河ステージの広報担当者)

 

 同社は同様のサービスを提供していた米国の会社と提携して、遺灰を宇宙空間に運ぶ「宇宙葬」を2014年から始めた。専用ロケットで宇宙空間を数分間飛行し、そののちに大気圏で燃え尽きる「宇宙飛行プラン」、人工衛星に搭載する「人工衛星プラン」を販売している。

 

 前者は遺灰を収めたカプセルを米国からロケットで打ち上げて45万円から。後者は95万円からだが、軌道上を周回する衛星の位置を、アプリで確認できるというもの。ほかにも月面まで運ばれる「月旅行プラン」などもある。

 

「生前予約をされている方が30名おられます。そのなかには、女優の島田陽子さん、角界の大鳴戸武春親方、前参議院議員の尾立源幸氏などがいらっしゃいます。

 

 宇宙葬も、夢とロマンのある宇宙旅行の一種と感じていただければと思います」と広報担当者が語るように、宇宙好きにとっては「星になれる」ことが魅力なのかもしれない。

 

(週刊FLASH 2018年5月1日号)

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