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過労死はなぜ起きる?答えはマルクスの「資本は増殖する」にライフ・マネー 2018.06.12

写真・AFLO

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 マルクス生誕200年を記念して製作された映画『マルクス・エンゲルス』が公開された。なぜいま、マルクスなのか? ハイチ出身の監督・ラウル・ペックが自問している。 

 

「挫折したユートピアとして? 忘れられるべき思想として? 理解不能なまでに複雑に考えすぎた男として? 危険で時代遅れな教理として?」

 

 だが、21世紀の現在、マルクスはいまも生きていると監督は述べる。 

 

「富の分配、児童労働、男女同権といった主要なテーマは、世界中が抱えている問題と通底している」

 

 映画のパンフレットに、エッセイを寄せているのが「マルクス研究会」。同会の事務局長で、駒澤大学経済学部准教授の明石英人氏が、マルクスの今日的な意味を指摘する。 

 

「マルクスは『資本は増殖する』と言っています。たとえば、サービス残業は資本の増殖の源になる。日本は資本の増殖に対する歯止めが弱すぎるので、過労死すら起きてしまうわけです」  

 

 そして環境問題も「資本の増殖」の典型的な姿だ。 

 

「ハンバーガーをたくさん作っても、一定時間売れなければ、捨ててしまう。資本家にとって、利潤を最大化することこそが唯一の目的で、持続可能性は二の次です。資本主義には自ら環境を守る歯止めはありません」(明石准教授)  

 

 こうした資本主義のあり方は、いまや限界に近づいていると続ける。 

 

「結局、資本主義は矛盾、無駄、不合理に満ち溢れている。この社会が永遠に続くとは考えられません」  

 

 しかし、ここまで進んだ資本主義が終焉することは想像しにくいが……。 

 

「学生によく言うんです。『江戸時代は江戸幕府が永遠に続くとみんな思っていたが、結局、260年しか続かなかった。資本主義も200年以上続いたから、そろそろ終わりなんじゃないか』と。

 

 海外では、マルクスの見直しが盛り上がっていて、日本でも見直しがもっと広がると思います。いま、日本社会には閉塞感が漂っている。マルクス理論は新しい時代への突破口になると、私は思っています」(明石准教授)  

 

(週刊FLASH 2018年5月22日号)

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