先行きの見えないこの時代、少しでもいいから将来のために「増やす」ことを考えたい。とりあえず10万円で投資を始めるのだったら、どこにお金を回せばいいのだろうか?
10万円で始める「アラフィフのための投資法」を専門家に聞いた。ずばり「株式投資」をすすめるのは “相場の福の神” を自称する「財産ネット」企業調査部長の藤本誠之氏だ。
藤本氏がおすすめする、10万円未満の元手で買える優良株を5つ紹介しよう。
■サンワカンパニー
ネット関連企業では、サンワカンパニーに注目。システムキッチン、トイレ、風呂、洗面台などの住宅設備をおもにネットで販売して成功している。
「同社は東京、大阪、名古屋、福岡、仙台にショールームを置いています。実際に商品を見ることができるので、ネットだけで購入するのが不安、という人に人気です。4月には、イタリア・ミラノの家具見本市で、展示ブースが最優秀賞を受賞しました」
■メディアフラッグ
メディアフラッグのメインビジネスは、飲食店や銀行の「覆面調査」。
「欠点を指摘するのではなく長所を伸ばすことで、従業員のモチベーションをアップさせ、結果として店舗の成績を向上させる “ほめるための覆面調査” に定評があります。最近では『デジタルサイネージ』と呼ばれる、電子看板を貸し出す事業にも乗り出しています。
最新のデジタルサイネージにはカメラがついていて、広告を見ている客が男性か女性か、若者か高齢者か、などを見分けることができるようになっています。新たなマーケティングの手法として注目されています」
■地盤ネットホールディングス
大阪で発生した地震で株価が上昇したのが、地盤ネットホールディングス。
「名前のとおり、宅地などの地盤の解析や評価をする会社です。主要顧客は不動産業者。地震の影響があり、地盤への関心は高まっています。自分が今いるところの地盤について、点数で評価するアプリも運営しています」
■アライドアーキテクツ
SNSに特化したデジタルマーケティングで、日本トップクラスの実績を誇るのがアライドアーキテクツだ。
「フェイスブックやツイッターに広告を出す企業を支援するビジネスを展開しています。SNSの活用は企業にとってますます重要になっていくので、これからもビジネスとして伸びる余地は、十分にあると思います」
■JALCOホールディングス
JALCOホールディングスは創業当初、テレビの電子部品を作っていたが、中国企業に価格競争で負け、撤退。そして、まったく予想もしなかった業態に転換を遂げた。パチンコホール向けの不動産賃貸業と貸金業だ。
「パチンコ業界は、30兆円産業といわれたころよりも縮小してきたとはいえ、全国に1万店以上のホールがあり、依然、20兆円の市場規模があります。
野村證券出身の田辺順一社長は一時、パチプロまでやっていたほどのパチンコファンで、業界のことを知り尽くしています。だから、大胆な業態転換ができたんです。銀行がお金を貸しにくい業界である点にも、目をつけたわけです」
今回、登場した企業は、知名度だけでいえば大企業にはかなわない。だが、だからこそ “狙い目” なのだと藤本氏が太鼓判を押す。
「私はむしろ、知名度の高い大企業に投資する人の気が知れません。そういう企業は、それ以上伸びる余地が少ないんです。そんな勝負には参加しないほうがいい。
それにいま、東証一部上場企業では、日々の売買のうち、約7割が外国人投資家によるものといわれています。つまり有名企業の株の売買は、海千山千の外国人投資家を相手にすることになります。素人には、あまりにそれは難しい。
だったら、マザーズなどに上場している小さな企業に投資したほうが“勝てる”確率は高いです。大谷翔平の球は打てないけれど、小学生の投げる球なら打てる。投資も同じで、勝てる相手と勝負すべきだということです」
10万円は、庶民には決して小さくない額。勝負するなら、勝てる勝負をしようではないか!
(週刊FLASH 2018年7月10日号)