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「ガンで困らない生命保険」美人ファイナンシャル・プランナーに聞く
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.08.17 06:00 最終更新日:2018.08.17 06:00
ガンのような、高額な治療の経済的負担を軽減してくれる「高額療養費制度」のように、日本人の医療費はこれまで、社会保障によって守られてきた。だが、この制度がいつまで続くかは、かなり不透明だ。FPの伊藤英里子氏が語る。
「社会保障給付費は右肩上がりに増えており、2018年は121兆円の見通しに対し、2040年には190兆円になるとの試算が公表されています。年金制度や健康保険制度が、このまま続く保証はありません。
また、物価の上昇率もこの30年で約2倍になりました。同じように物価が上昇するなら、リタイア世代は年収が減るのに、払う金額は増える、という事態に直面します。
健康保険があるから医療保険はいらない、という人がいますが、それは昔の話です」
「医学の進歩により、お金さえあれば多くのガンは寛解しやすい時代になる」という伊藤氏。しかし治療の内容によっては、そこにかかる費用は高額になる。いざというとき役に立つ保険について、伊藤氏に解説してもらった(具体的な保険商品については、本誌が調査したもの)。
「通常の保険診療では、国が一定の割合で医療費を負担してくれます。しかしガンの場合、重粒子線治療、陽子線治療などの『先進医療』が必要になる場合があります。さらに、治療費が完全に自己負担となる『自由診療』という選択肢もあります」
先進医療は、その一部に健康保険が適用される治療との併用が認められている。しかし自由診療は、かかった治療費の100%を自分で支払わなければならない。前出の高額療養費制度も、もちろん適用外だ。
何が先進医療で何が自由診療にあたるかは、毎月、厚生労働省が決定し、発表している。
たとえば、最近話題となった免疫治療薬「オプジーボ」は、一部の皮膚ガンと肺ガン、胃ガンの治療に使う際は、健康保険の適用となる。しかし「効果がある」といわれている乳ガンをはじめ、そのほかのガンについては、まだ自由診療の扱いとなっている。
「そのため、乳ガンの患者さんがオプジーボを使用した場合、その治療費は年間で1500万円以上かかってしまう場合もあります。ガン保険に入っていなければ、とても支払えません。逆に言えば、保険に入っていることで、ガンの治療方法の選択肢が、ぐっと広がるのです」(伊藤氏・以下同)
そこで最近、注目されているのが、いくつかの損害保険会社が出しているガン保険。高額な先進医療や自由診療を手厚く補償してくれる。
セコム損保のガン保険「MEDCOM」は、ガンと診断されたら100万円の一時金が支給される。さらに、健康保険が適用される治療費だけでなく、先進医療や、さらには自由診療にまで保険金が支払われるのが大きな特徴だ。
支払われる金額は、通院の場合は1000万円まで、入院した場合は無制限。50歳の男性の場合、1カ月の保険料は4460円だ。
しかし、仮にガンを乗り越えたとしても、再発や転移の不安を抱えて暮らしていかなければならない。また、別の病気で手術を受ける可能性もある。そんな心配を取り除くために伊藤氏がすすめるのは、手術の給付金が何度でも出る種類の医療保険だ。
「保険を選ぶ際、多くの人は保険料を抑えるため、入院給付金が安いものを選ぼうとされます。しかし入院日数が短くなっている昨今、本当に大切なのは、手術給付金が何度でも出ることだと思います」
オリックス生命の「新CURE」は、入院して所定の手術を受けた場合、「日額10000円コース」で1回につき20万円の手術給付金が、何度でも支払われる。入院給付金の支払限度日数などでいくつかのタイプがあるが、50歳男性・終身払い込みの場合、月額の保険料は6232円。三大疾病(ガン、心疾患、脳血管疾患)による入院では、限度日数が無制限になる。
ほかにはメットライフ生命の「FlexiS」(基本保障のみの保険料は「入院日額10000円コース」終身払いの場合、50歳男性で6017円)も、手術給付金が何度でも出るうえ、三大疾病で所定の状態になった場合、それ以降の保険料の払い込みが免除されるオプションなどが用意されている。たとえば心疾患で、所定の手術を受けた場合も免除の対象になるなど、その範囲が広いのが特徴だ。
高額な自由診療を補償してくれるガン保険と、手術を何度受けても手術給付金が出る医療保険。この2本立てで、ガン対策は安心だ。
ここ数年、新しい保険商品として注目を集めているのが、就業不能保険だ。その名のとおり、病気や怪我で働けなくなったとき、給料代わりに生活を補償してくれる。
「いまはガンになっても、ほとんどの場合、社会復帰ができます。また、在宅勤務やリモートワークの方が増え、就業不能を認定するのが難しいケースも出てきています。奥様が専業主婦で、お子さんの学費やローンを抱えている、ご自分が倒れたら、収入が途絶える……という方なら、加入していれば安心ですね」
賢い保険選びが、その後の生活の質を高める治療へとつながるのだ。
※各商品の内容は本誌編集部調べ
(週刊FLASH 2018年7月3日号)