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「銀行がすすめる投資信託は一切買うな」と経済評論家
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2018.08.20 11:00 最終更新日:2018.08.20 11:00
投資初心者に人気なのが、投資信託(投信)だ。その注意点について、楽天証券経済研究所の客員研究員で経済評論家の山崎元氏に聞いた。
「銀行員がすすめる投信は100%、ダメだと思ったほうがいいです。そもそも手数料が高いものばかり。儲かるのは銀行のほうで、顧客には不利です。
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お金を貸して利息で儲ける、というビジネスモデルが破綻しているので、銀行は投信や保険の手数料稼ぎに力を入れているんです」
銀行にだまされないためにも、投信は自分で選ぶこと。その際、「リスクについての考え方」を念頭に置こう。
「投資家が受け取るのは、市場のリターンに投信を運用するファンドマネージャーの腕をプラスして、そこから手数料をマイナスしたものと考えてください。結果的にプラスになるかマイナスになるかは、なかなか読めません。
ファンドマネージャーの運用の腕も評価不能です。過去3年、実績がよかったとしても、今年もいいとは限りませんから。うまく運用できる商品を事前に選ぶことができない点を理解しましょう」
将来どうなるかわからないのは、どの投信も同じ。だから自分で管理できるコスト=手数料を下げるのが大切だ。
手数料には、大きく分けて「販売手数料」「信託報酬」がある。このうち購入時にかかる販売手数料は、ネット証券を中心に無料のものも多い。
「信託報酬は運用にかかる経費で、毎年、発生します。金融機関の窓口で売られる投信は1%を超えますが、0.2~0.3%の投信もあります」
その点を踏まえたうえで、山崎氏がおすすめの投信を2種類、教えてくれた。まずは、3地域に均等に投資する、全世界株式インデックスファンド。「インデックスファンド」とは、たとえば日経平均株価のように、株式の指標(インデックス)と連動して値動きする投信だ。
「これ1本で、先進国株式、新興国株式、TOPIX(東証株価指数)に3分の1ずつ投資でき、5%くらいのリターンが期待できます。手数料の引き下げ競争が進行中で、手数料は0.1%台と最低レベルです」
もうひとつは、先進国株式とTOPIXを6対4の割合で投資するインデックスファンドで、できるだけ運用管理費が安いもの。
「6対4という比率は、機関投資家が使っているリスクとリターンの前提から計算したもの。今回の10万円投資は、今後の投資の入口にしたほうがいいと思いますが、そのときも、6対4の組み合わせは参考になるはずです」
山崎氏は、最後に釘を刺す。
「投資は他人にまかせるものではありません。自分でリスクの取り方を決めるものです」
あくまでも自己責任、ということを肝に銘じよう。
(週刊FLASH 2018年7月10日号)