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相続トラブルなぜ起きる「妻VS.姉」長男の気遣いが裏目に
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.02.18 11:00 最終更新日:2019.02.18 11:00
少子高齢化や核家族化が進む現代では、遺産をめぐる争いの数は確実に増えている。一般家庭で実際に起こった「争族」を例に、相続問題の防ぎ方・解決方法を学ぶ。
「遺産分割協議書を作ることが重要です」と話すのは、相続問題に詳しい弁護士の木野綾子氏だ。以下の例では、長男の相続放棄を皮切りに、亡き夫の姉と妻が争った。
父親の姉(冒頭の図のA)が家に来ては、小姑として母親に文句を言ったりする場面を、常に目にしてきたひとり息子。父が病気で亡くなった後、遺産は苦労してきた母親にすべて譲りたいと考えた。
しかし、母親に相談すれば「あなたがもらいなさい」と言うのは目に見えている。そこで、「相続放棄」の手続きを家庭裁判所でおこなった。
ところが、この手続きで小姑A(父の姉)も相続人になってしまい、遺産の一部を取られてしまった。
「子供が放棄すると、父親のきょうだいが相続人となります。『なぜ相談しなかったの?』と、思わず言ってしまいましたが、時すでに遅しです。
奥さまと息子さんで遺産分割協議をして、『母親が100、息子が0』という協議書を作ればよかったんです。そうすれば、小姑の出る幕はなかった。
父親の両親は存命でなく、ほかに子供もいないので、母親が4分の3、父親のきょうだいが4分の1となります。遺産分割協議書を作成しておけば、母親が全額受け取れました」(木野弁護士、以下同)
やり方をひとつ間違えると、まったく違う結果になってしまう。
「ネットなどの誤った情報や、思い込みの知識で動いてしまうと、取り返しのつかないことになってしまう。この実例も、母親に全額をあげたいという長男の気持ちとは相反する結果になってしまった。そうならないためにも、専門家に相談することをおすすめします」
(週刊FLASH 2019年2月19日号)