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進め「ご当地おでん」探検隊/地方おでんの伝道師はコンビニ
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.03.10 16:00 最終更新日:2019.03.10 16:00
全国のご当地おでんが、ほかの地域でも知られるようになり、都市部の郷土料理屋で出す店も増えてきた。その陰の功労者がじつはコンビニ、というのはご存じだろうか?
『セブン-イレブンおでん部会』(朝日新書)の著者で、コンビニライターの吉岡秀子さんも、こう推測する。
「いま、全国的なトレンドは肉系のおでん種ですが、現在では全国で販売されている牛すじも、そもそもはコンビニを通じて関西から波及していったのではないでしょうか」
コンビニのおでんの通年販売も進み、観光や出張をきっかけに、各地独自のおでんにハマる人も多い。いまや、セブン―イレブンは全国で8種、ファミリーマートは7種のつゆを揃え、地域密着の味を志向する。
コンビニおでんはセブンが1977年に発売開始し、すでに40年以上。その当初から、ご当地性に着目してきた。
セブンでは毎年、各地で限定種も用意する。そのなかには定番化したものも多い。たとえば北海道の「山ぶき」や「焼豆腐」、東北だと「玉こんにゃく」などだ。
セブンを運営する、セブン&アイHD広報センターの山口匠さんが、おでん購買客の種の好みを語った。
「地方色が出るのは厚揚げです。東北と関東、北陸・中部は絹、北海道と近畿以西は木綿が好まれる傾向があります」
もっとも、おでん種ごとの境界線は、明確ではない。セブンでは関東の一部のみで展開するじゃがいもが、ファミマでは関西限定。その違いもおもしろい。
また、地方おでんに特徴的なのが、タレや薬味だ。ゆず胡椒や味噌だれなどは、コンビニおでんを通じて、全国区になったといえよう。
ファミマの場合、東北では「しょうがみそ」、中国・四国では「からしみそ」、関西では「しょうが醬油」をつけられる。これら薬味が各地のおでんを格段に旨くする。
【地域特有の「おでん種」を一部ご紹介!】
・北海道、稚内:ふき
・北海道、旭川:わかめ
・宮城県、仙台:にら玉
・石川県、金沢:ズワイガニ、車麩
・香川県:からし味噌
・福岡県:餃子巻き
・大分県:骨つき手羽
取材&文・鈴木隆祐
(週刊FLASH 2019年3月12日号)