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【食堂のおばちゃんの人生相談】43歳・ウェブ関係勤務のお悩み
ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.05.20 11:00 最終更新日:2019.05.20 11:00
「食堂のおばちゃん」として働きながら執筆活動をし、小説『月下上海』で松本清張賞を受賞した作家・山口恵以子。テレビでも活躍する山口先生が、世の迷える男性たちのお悩みに答える!
【お悩み/忠男さん(43)ウェブ関係】
うちの妻は、人間の食器とねこの食器を一緒に洗います。私は、せめて人間とねこの食器は、別のスポンジで、別のタイミングで洗ってもらいたいです。愛情がないのではなく、生き物が違うと細菌も違ってくるからです。愛猫家の先生はどう思いますか?
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【山口先生のお答え】
奥さんは本気で忠男さんを愛しているんですね。だって、愛がなければねこの食器を夫の食器と一緒に洗ったり出来ませんよ。ねこが夫の菌に感染したら大変だもの……というのは半分冗談。
半分は本気ですよ。団塊の世代の同級生が亡くなってお通夜に行ったら、奥さんも娘さんもまるで平然としていて、四十九日にお線香を上げに訪問したら一家全員目を泣き腫らしているので「ああ、やっぱり本当は堪えていたのか」と納得したら、実は愛猫が突然死したから……という実話があるんです。
まあ、うちもねこ用と人間用でスポンジを分けていますが、並べて置いてあるので、細菌同士は行き来していると思います。それでも誰も感染症にならないので、細かいことは気にしてません。
知らぬが仏、見ぬもの清しといいます。「地面に落ちても3秒以内ならバイ菌が付かないから拾って食べても大丈夫」という “三秒ルール” もあります。
「ねこと同じスポンジで洗ったって、洗剤がバイ菌を殺してくれるから大丈夫」と思ってれば、病気になんかなりませんって。どうしても気になるのなら、ねこか人間の食器か、どちらかを忠男さんが専用スポンジで洗えば良いのです。
でも、そんなことをするよりは、細かいことを気にするのをやめましょうよ。奥さんからねこと同じくらい愛されている今の幸せを、じっくり噛みしめて下さい。
やまぐちえいこ
1958年、東京都生まれ。早稲田大学文学部卒。就職した宝飾会社が倒産し、派遣の仕事をしながら松竹シナリオ研究所基礎科修了。丸の内新聞事業協同組合(東京都千代田区)の社員食堂に12年間勤務し、2014年に退職。2013年6月に『月下上海』が松本清張賞を受賞。『食堂メッシタ』『食堂のおばちゃん』シリーズ、最新刊『夜の塩』が発売中