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100万円トクする「相続ドリル・上級編」同居や介護の影響は…

ライフ・マネーFLASH編集部
記事投稿日:2019.06.12 11:00 最終更新日:2019.06.12 11:00

●Q1の答え:全額はもらえない

 娘の相続放棄によって、Aさんの兄姉が相続人に加わるので、妻の法定相続分は4分の3となり、妻とAさんの兄姉との間で、遺産分割協議をすることになる。

 

 娘が、全額を母(Aさんの妻)に渡したいのであれば、相続放棄をせずに、自分の取り分がゼロとなるような「遺産分割協議書」を、母と二人で作成すべき。

 

●Q2の答え:通る

 生前に作成された遺産分割協議書は、無効だから。合意書があれば、なんでも通るわけではなく、相続放棄と遺産分割協議は、故人の生前にしても効力がない。

 

 また、遺留分放棄は、生前に家庭裁判所で手続きをしないと、効力がない。遺言書が複数ある場合は、日付の新しいものが有効となる。書類の作成には注意が必要である。

 

●Q3:払わなくていい

 父が亡くなる前から無償で住まわせてもらっていたから、遺産分割協議終了まで、使用借権(無償で使う権利)があるといえる。
※最高裁判例あり

 

●Q4:払わなければいけない

 遺言書がある場合は、父が亡くなったときから長男のものになる。さらに、長男から「すぐに家を明け渡せ」と言われた場合は、明け渡さなければいけない。この場合、長女が請求できるのは遺留分のみ。

 

●Q5の答え:現時点では、できない。

 現時点ではできないが、7月1日の改正法施行後は、法定相続人以外の親族が献身的に介護をしたり、遺産の維持や増加に貢献した場合、「特別寄与料」として、相続人にお金を請求できるようになる。

 

 ただし、法定相続人のように、「何分の一もらえる」と割合が決まっているわけではなく、協議が調わない場合は、裁判所が判断する。

 

図版作成・まるはま

(週刊FLASH 2019年6月18日号)

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