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肥満、姿勢だけじゃない!新国民病「腰痛」の原因をチェック

ライフ・マネー 投稿日:2019.06.19 11:00FLASH編集部

肥満、姿勢だけじゃない!新国民病「腰痛」の原因をチェック

 

 セ・パ交流戦真っただ中のプロ野球。読売ジャイアンツ・菅野智之投手(29)は、6月7日から一軍に合流したが、彼が登録抹消となった理由は、腰の違和感だった。

 

 また、プロゴルファーの石川遼(27)は5月3日、ツアー2日目にしてプロ転向後、初の途中棄権を決定した。こちらも6月にツアー復帰を果たしたが、棄権の理由はやはり腰痛だった。

 

 

 いまや、日本人の4人に1人が悩まされているという腰痛。意外なところでは、千葉県船橋市の非公認ご当地キャラクターとしてお馴染み、ふなっしーも、ジャンプのしすぎで腰痛が悪化し、歩くことも困難になっているとか。メディアへの露出が激減したのは、腰痛が原因だったのだ。 

 

 起きてひと言、仕事中にひと言、帰りの電車でひと言……。「あ~、腰が痛ぇ」が口癖になったわれわれ中年世代の、慢性的な腰痛の原因はなんなのだろうか。

 

「腰痛持ちのうち、8割の方が、明確な痛みの原因がわからないといわれます。原因不明のまま、10年以上も痛みが続いている人もいますね」

 

 そう話すのは『あなたの腰痛が治らないのは治し方を間違えているから』(アスコム)の監修を務めた、整形外科医の秋田護氏。

 

 この本を執筆した「日本腰痛研究開発機構」では、腰痛の原因究明に役立てればと、簡単に腰痛の “犯人探し” がおこなえるチェックシートを作成している。それを本誌が抜粋して作成したものが、冒頭の図だ。

 

 もちろん、腰痛の原因は多岐にわたるため、チェックリストだけで原因を完全に特定するのは難しい。まずは、腰痛を引き起こす「リスク因子」を減らすことが重要だ。そのリスク因子を、秋田医師に解説してもらった。

 

「まずは肥満。ほとんどの関節と骨は、重力に抵抗する形で、自重を支えています。中年太りでおなかがぽっこりと出てくると、真下に向かう力だけではなく、斜め前に引き下げられるような力も加わり、背骨のカーブにいびつな負担がかかることになります。

 

 さらに運動不足で筋力が低下し、背骨を支える力が弱くなっていれば、腰痛につながる可能性はより高くなります」

 

「職業病」という言葉があるように、仕事中の姿勢も大きなリスク因子だ。 

 

「椎間板は、もともとは柔軟性が高く、衝撃をよく吸収してくれる組織です。ところが、椎間板がさまざまな原因で変性してしまうと、乾いて硬くなって劣化したゴムと同じようになり、圧力がかかると一部が壊れてしまいます。

 

 そこから組織の一部が飛び出し、腰痛の原因になったり、神経を圧迫してお尻から足にかけて激しい痛みを引き起こしたりするのが、椎間板ヘルニアです。

 

 長時間運転のドライバーや、重いものを持つ作業が多い人などは、腰痛になる頻度も高く、骨の変形の進行が早いように見受けられます。物理的な負担がかかり続ければ、変性が進むのは当然です」

 

 オフィスでの座りっぱなしや、長時間の同じ姿勢は、同様に腰に負担をかける。 

 

「定期的に、立ち上がって伸びをしたり、体を軽く捻ったりして、それまでキープしていた姿勢を一度、解除してあげてください。

 

 ただし、急な動きに対しても、腰はダメージを受けやすいので、軽いストレッチぐらいがいいでしょう。三日坊主にならないように、毎日の生活に意識して取り入れることが大事です」

 

 さらに、腰痛のリスク因子となる可能性をはらんでいるのが、布団と枕だ。

 

「仰向けで脚をまっすぐ伸ばした姿勢は、少し腰が反っている状態なので、あまりよくありません。ある程度、広い布団で寝返りを打つことが重要です。最近は高反発型のマットレスが出ているので、寝返りを打つには適しています。 

 

 同じように枕は、寝返りしても頭の高さが変わらないものがいいでしょう。枕を作成してくれるクリニックもあります。寝返りをしても頭の高さが変わらないように、ミリ単位で調整してくれます」

 

 敷き布団はもちろんだが、掛け布団も意外と大事だ。

 

「夫婦で一枚の掛け布団で寝ていると『相手の布団を取ってしまうのでは』という意識が働き、寝返りを打たなくなってしまうようです。

 

 そのため、掛け布団を別々にしたら、腰痛が改善したという例も実際にあります。腰痛持ちのご夫婦は、掛け布団を別にするのも、手かもしれません」

 

 そのほか、意外なところでは、喫煙が椎間板の変性を促すため、腰痛のリスク因子となることが、ラットを使った実験によって明らかになっている。また、骨を弱くする糖尿病などの生活習慣病も、腰痛と深く関係している。

 

 3000万人も患者がいれば、原因は人それぞれ。まずはチェックリストを使って、自分に腰痛を引き起こす“真犯人”を突き止めよう!

 

(週刊FLASH 2019年6月25日号)

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